筆者の地元である埼玉では、「フードパントリー」が盛んである。
フードパントリーは企業や農家、一般家庭から寄付される食料を無料でひとり親家庭や生活困窮者などへ
直接配布する活動である。
こども食堂運営経験を持つ筆者にとって、年代を問わず支援できるフードパントリーの活動により多くの可能性を感じた。
本稿では、知人でもある「埼玉フードパントリーネットワー
ク」への取材を通してフードパントリーが担う役割と課題を考察する。
フードパントリーは年代を問わず生活事情に応じた「食の支援」を行っている。
活動拠点が地域密着型の為、生活困窮者の把握や、
生活に課題を抱えた家庭と社会の繋がりの窓口的役割を担う。
子ども食堂を知らなかったり、知っていても利用しづらいという家庭でも、パントリーであれば利用するケースが多い。
「埼玉フードパントリーネットワーク」代表草場氏によると利用者との繋がりこそ真の目的という。
食の支援のみならず孤立の解消や相談窓口、学習支援や他行政支援などへの繋ぎなど、
フードパントリーには生活支援効果も期待される。
写真提供:埼玉フードパントリーネットワーク
ボランティアが運営基盤であるフードパントリーには課題が多い。
提供する食品不足や、提供食品の配送方法・保管場所、ボランティア人員の確保や運営資金などである。
フードパントリーが急速に増えている埼玉県では、行政が貧困の連鎖解消施策として団体を全面バックアップしている。
日本初のフードバンクと共催してフードパントリー開設の説明会実施や、県の広報誌や機関等で行う定期的な企業への支
援要請など。
その結果、物流会社からの輸送支援や、食品卸市場から保管施設として空き店舗提供に繋がっている。
このような官民連携が運営助成の鍵になるのではないだろうか。
写真提供:埼玉フードパントリーネットワーク
フードパントリーは食の支援を通じて地域社会の課題解決に一役買っている。
事情ある家庭や生活困窮者の抱える「地域の隠れた問題」を会話や相談から発見し、新たな支援へ繋ぐ役割も担う。
課題となる保管・管理・ボランティア不足は、活動の周知とともに官民連携による支援の輪を広げることで解決できる。
貧困問題や食品ロスなど様々な社会課題解決の糸口となるフードパントリー。
家庭の余剰食品も受け入れているので、この機会に地域の活動に参加してみるのはいかがだろうか。
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⮚埼玉フードパントリーネットワーク https://pantry-1.jimdosite.com/
⮚埼玉県福祉部少子政策課「こども応援ネットワーク埼玉」 https://kodomoouen-net-saitama.themedia.jp/
⮚埼玉県広報誌7月号
⮚消費者庁「食品ロス削減関係参考資料」2019年
⮚ 東武よみうり新聞 (2020年6月8日)
⮚ 読売新聞(2020年6月17日)
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