食品ロスと並び、日本国内で問題になっている食料自給率低迷の問題。低迷の根本を探っていくと、国内農業そのものの衰退が浮かび上がってきている。しかしながら、農業者の高齢化や担い手不足の深刻化が進む中、国内農業は変化を遂げようと政府や自治体が取り組んでいる。その取り組みとは「スマート農業」である。「スマート農業」は未来の国内農業にどのような希望をもたらしてくれるのか。考察していく。
日本の食料自給率は2018年に37%と過去最低記録を更新した。海外への依存度が高いほど、輸入元の国の不作、戦争などの情勢によって輸入が止まり食料不足に陥る危険性がある。また、爆発的に増え続ける世界人口を前に、地球規模での食料不足を懸念する声もある。そのような事態に備えるためにも、早急に日本での食料自給率を向上させなければならない。
日本の食料自給率が低い理由は、農業の「儲からない」イメージ、高齢化による農業生産者の減少、優秀な人材が就きづらい就農構造等による国内農業そのものの衰退が挙げられる。
日本の農業力を向上させる策として、スマート農業の活用が第一に上げられる。実際に日本政府は2018年6月15日に、「世界トップレベルのスマート農業の実現」を掲げ、 2025年までに‘農業の担い手の大半がデータを活用した農業を実践する’という目標を掲げた。
高齢化が進む農業の担い手に対し、労力を軽減し、増加する耕作放棄地を少人数で利用して収量・収入・収益の底上げに結びつけるべく、ドローンやロボットによる農作業の省力化、新規就農者の経験不足を補うAI技術、データ活用などが導入され始めている。昨今、多発している自然災害で発生した損害のリカバリー強化助成や、担い手の工夫を「見える化」させることができ、作り手と商品のブランド化等、大いなる可能性を秘めている。
近年の日本の食料自給率低迷は国内の農業力の衰退が主因となっている。そこで、国内の農業力を底上げする次世代のスタイルとして「かっこよく・感動があり・稼げる」新3Kの「スマート農業」が登場した。しかしながら、農業教育体制が衰退の起因となっているケースも多い。農業を専攻した大多数の学生は、卒業しても食品関連企業などの企業に勤めてしまい、就業先として農業を選択する若者はごくわずかである。私自身も農学部出身であるが、ビジネス目線での授業は少なく、農学部出身として社会に出た際に、ビシネス目線での質問に答えられず、実践的な授業不足を痛感した。将来、「スマート農業学」が必修科目の一つに入ることを期待をしたい。「スマート農業」の普及によって、農業が従来の人気職業にも比肩するあこがれの職業になる可能性は高い。高齢化した農業従事者で溢れる私の故郷にも次世代の希望の灯りがともることを期待しよう。
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