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社会 環境 2020.08.17

個人経営店が目指す食品ロス対策

リサーチの背景

今や食品ロスは世界的な問題だ。「0円キッチン」という映画に感銘を受けたのをきっかけに日本の外食産業の食品廃棄に興味をもった。大手の外食チェーン店はもちろんのこと、個人経営店も食品ロス削減を図れば大きな環境負荷軽減に繋がるのではないか。職業柄発生する日々の飲食店との接点を活かし、個人経営飲食店でも取り組みやすい食品ロス削減法を考察する。

食品ロスの現状

国連食糧農業機関(FAO)によると、世界で生産されている食糧の1/3が食品ロスや食糧廃棄されているという。このような食品ロスは環境問題にも大きな影響を与えている。世界での食料廃棄・食品ロスによって排出される温室効果ガスは約33億トンにも及ぶからだ。フードシステムにおける「生産・保管・加工・処理・配送・消費」全工程でエネルギーは消費されCO2を排出している。これを廃棄するということは、そこまで使用したエネルギーを無駄にするということにほかならない。

 では食糧の多くを輸入に頼っている日本はどうだろうか。日本の食品ロスは年間約612万トンである。そのうち、外食産業の食品ロスは127万トンで、事業系食品ロスの中で一番割合を占めている。まずはこの外食産業の食品ロス削減を目指したい。

 

個人経営飲食店が取り組める対策とは

外食産業でも大手企業は既に自社で環境負荷対策を実施しているところは多い。しかしながら総務省統計調査によると、「飲食サービス業」は約80%が個人経営主体である。この個人経営飲食店こそ、食品ロス対策を取り組む事ができれば環境負荷軽減に大きく寄与するのではないだろうか。対策例を以下に挙げる。

  • 仕入時・保管時の工夫
  • 消費期限管理の徹底
  • 食材使い切りメニュー開発
  • 適量注文、食べきりの呼びかけ
  • ジャストサイズメニュー開発 
  • テイクアウトサービス導入
  • フードシェアリング利用

未来の地球環境を守るために

食品ロスと地球温暖化は密接な関係にある。食品ロスによって排出される二酸化炭素は世界で約33億トンにも及ぶ。これは人間が排出する二酸化炭素全体8%にあたるという。日本の事業系食品ロスで上位を占める外食産業。その主体である個人経営店が削減対策を図れば、1店舗あたりの効果が少なくとも、結果的に大きな削減に繋がるのではないだろうか。食品ロス削減は処理費用削減にも繋がる。まずは経費削減視点で取り組むのもいいだろう。経費削減の取り組みが売上につながり、環境問題にも貢献するとしたらやらない理由はない。次世代へよりよい環境を残す為に、一人ひとりの意識改革、行動が問われている。

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参照・引用資料

 

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この記事を書いたアナリスト

サティスファクトリー編集部

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