かつて、恐竜は数百万年という歳月をかけて絶滅した。対して、現代はこの規模を超える大量絶滅期に突入しているという見解がある。生態系バランスに生じている広範囲で急速な変化は、私たちの暮らしに無関係とはいえないだろう。大量絶滅を招いた背景には、経済活動による環境負荷が影響しているのではないだろうか。
地球上では、年間4万種もの生物が絶滅している。また、日本でも4千種に近い生物が絶滅の恐れにある。 1980年以来、農業生産拡大の代償は、原生林の破壊だった。生息地を奪われた生物は、行き場を失う。生物多様性が危機に瀕する最も大きな要因は、土地と海の利用である。
今、私たちの手にしているものが、生態系バランスを崩しているかもしれない。それに気付いているにも関わらず、社会は長きに渡って経済拡大を優先してきた。現在は改善している場合でも、過去の開発地が再利用されなかったり、過去の汚染が現在の生態系へ影響を与えつづける。環境に不適切な経済活動は、人にも例外なく その後 数十年数百年先の暮らしを大きく変えてしまうのである。
(画像出典:写真AC)
人類が動植物や大気などの自然から得ているあらゆる便益は、「自然の寄与」として定義される(*1)。これには、栄養豊富な食物の提供、身体的・心理的経験、災害の吸収などが含まれる。例えば、食料やエネルギーは1970年代から世界的に増加傾向にある。一方、それによって大気や土壌の気候調節力が減少している。たとえ減少する寄与の代替物がつくられても、それは不完全であり全ての相関関係を満たすことはできないだろう。人類が豊かに生きていくには、生態系にとっても持続的な生活環境でなければならない。
(*1) IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プ ラットフォーム)による
(画像出典:写真AC)
農地開発される前の土地に元々生息していた動物たちは、生息地が奪われる。
生物多様性は、私たちの生活に恩恵を与える。対して経済活動も私たちが生活をする上で欠かせないが、それによる環境負荷で生態系バランスに影響が出ているのもまた事実である。では、どのように両立を目指すべきか。
ESG要素は、投資判断だけでなく資金調達の観点から重要度が増している。資金調達無くして、企業が発展を続けることはできないだろう。まず、事業活動の中で行われる運送や調達、移動、廃棄物処理などの過程で、生態系への影響を知ることである。これらを環境に配慮して効率化することは、経済性を伴って持続的な両立となる。
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