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1.気候変動の悪化に、非財務情報の本質が問われる
<対策が進むも追いつかない成果>
- 2015年のパリ協定から6年以上経過し、GHGのうち特にCO2の排出削減が進む。しかし、現行の各国の削減目標では、気温上昇が深刻な影響となる「1.5度」を超える可能性が高い。
- 企業の事業活動において、既存の取組みを環境視点でラベリングしたり、限定的なキャンペーンに留まるケースが多いのではないか。
- 財務情報だけでなくESGに関する非財務情報も考慮した統合報告書が発行増加。対応状況の発信のために、定量的な算出基準が求められる。
→いよいよ日本の市場に「義務化」の動き
2.東証プライム、気候変動リスクを重視
<東証再編と情報開示>
- 日本最大の証券取引所である東京証券取引所は、市場のコンセプト明確化と多様な投資マネーの呼び込みを狙う。
- 2022年4月、60年ぶりの再編で最上位市場として始動した「プライム」では、気候変動の財務への影響開示を実質義務付け。
- 指針となる気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)について、開示資料で言及するプライム企業は57%。基準に満たずとも、改善計画書で免れる経過措置が設けられた。
→環境配慮は「評価」から「前提」へ
3.金融市場の安定化には「追加施策」が必須
<根本的なリスクの再認識>
- 2100年の気温上昇が1.5~2°Cとなった場合、気候変動による損失は54~69兆米ドルの試算。目の前の対応コストと将来の適応コストを比較検証できる専門人材が不足している
- 企業は、法改正等に振り回されるのではなく、気候変動が事業の持続可能性を左右するという本質を深く理解して危機感を持って対応することが望ましい。
- ESG視点の「企業選別」は投資家に限らず、取引の判断にも広がる。ステークホルダーが気候変動にどのような姿勢であるか対話し、現状と将来性を見極めなければならない。
→飾らず、根拠と数値を備えた情報開示へ
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