当社では、2018年7月より社会課題に関連する映画を社内で上映しています。
「映画でSDGsを考える」では、映画の情報やSDGsとの関連について、
サティスファクトリー社員の目線でお伝えしていきます。
SDGsとは?
2月20日に行った上映会では、
「ポバティー・インク ~あなたの寄付の不都合な真実~」を社員で鑑賞し、感想共有を行いました。
● 映画情報
「ポバティー・インク ~あなたの寄付の不都合な真実~」
2014年制作/91分/アメリカ
<映画あらすじ>
「貧しい気の毒な人たちのために手を差し伸べよう」
「彼らは無力で何もできない」
そんなイメージを謳い、繰り広げられてきた営利目的の途上国開発は、
今や数十億ドルに及ぶ巨大産業となっている。
その多くの援助活動が失敗に終わり、
援助の受け手がもともと持っている能力やパワーも損ないさえする。
私たちの「支援」がもたらす問題は?
正しい支援のあり方とは?
途上国とどう向き合うべきなのか?
ハイチやアフリカを主な舞台に、“支援される側”の人たちの生の声を伝えるドキュメンタリー。
● 映画に対する社員の声
・貧困に対するイメージが変わった
・善意でやってることが相手にとってプラスになっていないことがある
● 映画を通じて考えたSDGs
「目標1 貧困をなくそう」
・これを実現するには、「育てる」「フェアな環境をつくる」ことが大切
・支援する側も多くの知識・情報・見識が必要
● 印象的なセリフ
・「支援は恩恵よりも害だ」
・「魚を与えるのではなく釣り方を教えてほしい」
「寄付=絶対的な善」と思っている方も多いかもしれません。
「ポバティー・インク」は、そのような固定概念に一石を投じる映画です。
果たして、その寄付は本当に困っている人の役に立っているのか?
ただ、寄付しただけで自己満足に陥っていないか?
改めて、身の振り方や社会の在り方を考えさせられる内容でした。
(写真出典:映画公式サイト, http://unitedpeople.jp/povertyinc/)
あなたが寄付をするとき、まさか相手に迷惑をかけたいと思っていることはないでしょう。
むしろ、善意から「助けたい」という想いで寄付をしているはずです。
しかし、それが本当に支援対象の人たちを助けられているかというと、
実態はそうではないケースがあります。
映画では、いくつかの「不都合な真実」の事例を説明していました。
●ハイチの農業自給率低下
よかれと思って始めたことが、一国の農業を壊滅させてしまうこともあります。
1995年に端を発したアメリカ―ハイチ間の自由貿易と農業政策により
アメリカ産の安価なコメが大量にハイチに流通するようになり、
かつて存在したハイチの米経済を滅ぼしてしまい、ハイチを自給不可能な状況へと追い込んでしまいました。
この政策についてクリントン元米国大統領は、
「私が失敗を生んだ。誰のせいにもしない。この責任を背負って生きていく」と反省の弁を述べています。
●壊滅しつつあるケニアの繊維産業
かつて、ケニアでは国内で繊維産業が発達していました。
しかし近年では、国産を買うことは難しいそうです。
なぜなら、世界から「古着」がケニア市場になだれ込んできているからです。
実際に1980〜90年代、ケニアの繊維産業は大打撃を受け、工場閉鎖と大量解雇が起きたといいます。
BuzzFeedのインタビューで、マイケル・マシスン・ミラー監督はこのように話しています。
「理解してほしかったことの一つは
「貧しい人々は市場によって支配され、グローバル資本主義に押しつぶされ、市場から保護される必要がある」
というのは神話であるということです。
貧しい人たちは市場に支配されているのではなく、市場から排除されているのです。」
(出典:BuzzFeed, 「あなたの善意が地域を破壊? 映画「ポバティー・インク」が語る支援の裏側」 )
この言葉のように、「貧しい人たちは寄付を通じて支援するのが最善だ」という固定観念を捨てて、
彼らの市場へのアクセスと統合をどのように達成できるかを考えることが、
より建設的な貧困をなくすための方策となりえるのかもしれません。
次回は3月に「バベルの学校」を上映する予定です。
どんな学びが得られたか、またこちらのトピックスでご紹介していきます。
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