海に囲まれている島国である日本は、海ゴミ問題を抱えている。
特に日本海側の海岸には、対馬海流の影響を受け大量のゴミが漂着する。
筆者が清掃活動で訪れた新潟県佐渡島も、その代表的な一例だ。
実際に現地の海岸を目にし地元の方から話を聞いた漂着ゴミの現状は、想像以上であった。
この体験から、当レポートでは佐渡島を例にレジャースポットの抱える漂着ゴミに着目する。
「漂着ゴミ」とは、海に流れ込み海岸に打ち上げられたゴミのことである。
海岸を漂う「漂流ゴミ」、海底に沈んだ「海底ゴミ」と合わせて「海ゴミ」と総称される。
筆者が参加した清掃活動では、2日間で6.5トンの漂着ゴミを回収した。
海で使う浮きや漁網などの漁具もあったが、それよりも多かったのは生活用品である。
ペットボトルや洗剤などの日常品だけでなく、「なぜこんなところに」と思うカラーコーンやおもちゃなど様々なものが漂着していた。
佐渡を含めた新潟県の海岸には、毎月約1,450トンものごみが漂着しているそうだ。
佐渡島は、「ジオパーク」に認定されており、毎年約50万人が観光に訪れる人気のレジャースポットだ。
「二ツ亀海岸」は「日本の快水浴場100選」や「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」にも選ばれている。
このような美しい海にとって、漂着ゴミは景観の悪化を引き起こす要因となっているのだ。
また、佐渡島の平均年齢は52歳である。東京23区の44歳と比べると高く、少子高齢化が進んでいる。
加えて海岸は足場が悪く岩場も多いため、高齢の地元住民だけでは清掃に限りがある。
現地の方によると、台風や風の影響を受け一度清掃しても1週間後にはゴミが積もるのが現状だそうだ。
拾いきれない上に漂着し続け、終わりがないのが海ゴミ問題の特徴なのだ。
清掃をするとともに海への流出を抑えることで、観光地を悩ます漂着ゴミをなくすことに繋がるだろう。
海ゴミのうち8割は「家庭で出たゴミ」だとされている。
日本はインフラが整いゴミを分別して捨てる習慣がある。
一方で、処理ルートに乗らず海に流出してしまうゴミもいまだ多くある。
ゴミを確実にゴミ箱に捨てるだけでも、漂着ゴミ削減に繋がるのではないだろうか。
最近ではボランティアの団体も増え、地元の人だけでない佐渡島での清掃活動が行われている。
日本財団では「海と日本PROJECT」と称し、全国で海ゴミ問題に関するイベントや取り組みを行っているそうだ。
実際に筆者も清掃活動を通して、訪れるからこそ知ることのできる佐渡の魅力を感じ、住民の方との繋がりもできた。
観光を兼ねてボランティアに参加し、楽しく社会貢献してみてはいかがだろうか。
本文のレポートを無料でダウンロードできます。
ダウンロードはこちらから
>環境省「海洋ごみとマイクロプラスチックに関する環境省の取組」(http://www.env.go.jp/water/marine_litter/00_MOE.pdf)
>海と日本PROJECT「今、知っておきたい海洋ごみの事情」(https://uminohi.jp/kaiyougomi/)
>日本財団ホームページ(https://www.nippon-foundation.or.jp)
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