まずたくさんのお客様に来てもらうこと。そのためには魅力的なメニューを適切な価格で提供すること。居心地のよさを感じてもらえる内装を設え、スタッフによる質の高いサービスも大切になります。そのためには材料費・人件費・水道光熱費・設備投資など、できるだけ効率の良い経営を目指して帳簿に目を光らせる日々が続くわけです。
ところがついつい見落としがち、業者に丸投げしがちな経費があるのをお忘れではないでしょうか。それは「ゴミ処理」です。飲食店のゴミ処理には細かい法規制がなされていて、ルールやマナーもいろいろ。悪い処理業者に任せっきりにしていたがために知らず知らずのうちに地域の環境に悪影響を及ぼしていた、なんていう事態にもなりかねませんし、重い罰則を科せられることもあります。
また、正しい分別と減量化ができれば経費削減にも一役買いそうです。そのためには正しい知識をしっかりマスターしておきたいもの。そこで、飲食店経営者なら知っておきたいゴミ処理のあれこれをご紹介していきましょう。
まず、ゴミは「事業系ゴミ」と「家庭系ゴミ」に分かれ、事業系ゴミはさらに「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分かれているのはご存知でしょうか。飲食店から排出されるゴミを家庭系ゴミとして集積場で回収してもらおうとすると、廃棄物処理法違反で罰則が科せられてしまいます。そのため、お店から出るゴミはすべて「事業系ゴミ」として有料で処分してもらわなければならないのです。
「産業廃棄物」とは廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物です。飲食店に関わるものとしては、プラスチック・金属・発泡スチロール・廃油・焼却残さ・ゴム・ガラス・陶磁器といったものがあります。「事業系一般廃棄物」は産業廃棄物以外のゴミということになるのですが、いわゆる生ゴミ全般・調理や提供過程で発生する紙や箸などの木材・布といったものが中心です。
さあ、では飲食店のゴミ、いったいどうやって捨てればいいのでしょうか。
まず、一般廃棄物は清掃工場といったような自治体の施設に持ち込んで有料で処理することができます。でも店を営業しながらゴミを施設に捨てにいくというのは大変。そこで、廃棄物処理業者に委託して処理してもらうという方法が一般的となります。ここで注意が必要なのは処理責任の所在です。
一般廃棄物は「市町村」にあります。そのため、処理できるのは市町村から「一般廃棄物収集運搬業許可」を受けた業者に限られています。一方「産業廃棄物」の処理責任は排出する事業者にあるとされています。処理を委託するのは都道府県の「産業廃棄物収集運搬業許可」を受けた業者である必要がありますが、業者による不法投棄や横流しなどの問題が発生した場合、排出した事業者が責任を問われることになるので注意が必要です。
また、近年は食品廃棄物を飼料や肥料に再生して循環型社会を構築しようという気運も高まっています。飲食店から発生する生ゴミや食品残渣は資源として民間のリサイクル業者に託し再生処理してもらう必要があります。飲食店のゴミ処理は実に煩雑な流れとなっています。長く付き合えるいい業者に業務委託をすることが最善策となるでしょう。
そこで、ゴミ処理業者の探し方や見分け方などのチェックポイントを考えていきましょう。
●都道府県や市町村の許可を受けている業者か
上記のとおり自治体からの事業許可を受けているか、さらには処理まできちんとやっているかをチェックする必要があります。
●廃棄物の処理フローは明確か
契約から廃棄物の最終処理までのフローをしっかり明示しているか、その内容に問題がないかしっかり見極めましょう。
●カスタマーセンターなどに連絡はつくか
何かトラブルやクレームがあった際に、すぐに連絡がとれる業者は危機管理能力が優れているといっていいでしょう。
●担当の顔が見えているか、知識は持っているか
コミュニケーションがしっかりでき、廃棄物に関するプロとしての知識を持っているかが重要です。
●曜日や時間などニーズにあっているか
廃棄物の回収はで店舗スタッフが出勤している時間に対応して欲しいものです。契約前にしっかり確認しましょう。
●処理費用は明瞭になっているか
金額は適正な価格と言えるかどうかも重要です。
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