日本一のぶどうの産地、山梨県。
ワインの生産量、ワイナリー数、ともに日本一と言われています。
そんな山梨では、ワインの生産過程で大量のぶどうの搾りカス、
「ワインパミス」が廃棄処分されてきました。
その廃棄量は山梨県内だけでも、なんと1万トン以上に上ります。
そこで、改善の可能性を秘めているのがそれらの成分です。
ワインパミスにはワインには移行しない成分が含まれ、栄養豊富なのです。
ただ廃棄するのではなく、これを活かしたサステナブルな取り組みや
環境に配慮したワイン造りの工程はあるのでしょうか?
他県に先駆け、再生可能なワイン造りを目指す山梨県の活動を是非ご覧ください。
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1.ワイン製造と地球温暖化の関連性
<ワインの搾りかす「ワインパミス」の大量廃棄がもたらす地球温暖化への影響>
- ワインパミスは山梨県内だけでも年間1万トン以上も廃棄されている。大量廃棄(焼却)することで二酸化炭素の排出量も増加し、異常気象や地球温暖化の問題に直結している。
- 畑に放置すると生産環境が悪化してしまう。大量のコバエや悪臭を発生させたり、アルコールを含むため土壌不良を招くなどと言った問題が挙げられる。そのため、廃棄せざるを得ない。
- 実際、この100年で甲府市の年間の平均気温は2度以上高くなっており、ブドウの着色不良や酸味の減失など品質に影響を与えている。
→ワインパミスの廃棄量を削減するための取り組みとは
2.成分を活かした再利用で廃棄量削減
<ワインパミスは果実以上の可能性を秘めている?!>
- 山梨県にある株式会社中村商事では、ワインパミスを大切な資源と考え、ワインには移行しないワインパミスならではの豊富な栄養成分を活かした「RE-WINEブランド」の製品開発を展開している。
- 一般的に加熱後の酵母臭や粗い舌触りが難点とされるものの、美容や健康志向にフォーカスした商品PRで上質なペースト、パウダー、ジャム、ドリンクを販売している。
- 競争が激しい分野での製品開発に偏っているのが現状。その中で安定供給させることは難しいのではないか。
→より良い製品開発はあるのか
3.循環型社会の実現化へ
<ワイン農家と相互扶助の関係を築く>
- ワインの購買に繋がる商品開発をすることで、生産者も循環を直に感じることができ、発信が積極的になることが予想される。
- ラベルやボトルなどといった商品の原料に使用し、農家へ還元することが理想。
- 料理や食品以外の製品にも加工しやすくなるよう開発を進めて、循環化の可能性を広げることが望まれる。
→山梨のワイン農家で取り組まれるSDGs活動は既に複数ある
4.CO2排出抑制×炭素量増加で更なる地球温暖化防止へ
<4パーミルイニシアチブの取り組み>
- ワイン造りに欠かせない枝を切る作業で大量発生する「剪定枝」は、今までは主に焼却されてきていた。
- 「無煙炭化器」を用いて剪定枝を炭素化する事ができる。CO2を炭に閉じ込め、炭素自体を地中に閉じ込め、焼却によるCO2の大気放出を抑えるだけでなく、土壌の炭素増加で、更なる地球温暖化防止に繋げている。
- こういった取り組みを「4パーミルイニシアチブ」と呼び、 2015年にフランス政府が提唱した。日本国内では、2020年4月に果樹王国である山梨県が初めて参加している。
→持続可能なワイン造りを目指す山梨県
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