修理する権利(the right to repair)の法制化が進んでいます。
携帯電話などの電子機器や家電製品は、壊れたときに自分では直せません。メーカーに問い合わせても、修理するより買い替えた方がよいというアドバイスを受けることもあります。
しかし、環境配慮を考慮すると製品の長寿命化は重要です。メーカーは消費者が簡単に修理できる製品を作るべき、という発想から修理する権利の重要性が高まっています。またその背景には、地域の修理業者の雇用を創出・促進する目的もあるのかもしれません。
フランスでは、2021年1月から、洗濯機・ノートパソコン・携帯電話・テレビなどの販売時に、修理可能性のスコア表示をすることが義務付けられ、その後も対象費目の追加が行われています。ています。また米国ニューヨーク州でも、2023年7月から携帯電などについて修理をする権利を守る法令(Digital Fair Repair Right Act)が施行されます。
しかし大手メーカーは、安全性や知的所有権保護等の観点から、修理をする権利の拡大に警戒しているようです。解体・修理に関する情報公開義務、修理部品の供給義務など、今後電気電子機器や自動車メーカーには新たな責任が発生するでしょう。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/01/82b170c970f37638.html
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/11/ecc4de17e49b32b5.html
https://news.livedoor.com/article/detail/23490979/
<本コラムの執筆者>
佐藤泉法律事務所 弁護士 佐藤 泉
環境関連法を主な専門としております。特に、企業の廃棄物処理法、土壌汚染対策法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等に関連したコンプライアンス体制の構築、紛争の予防及び解決、契約書作成の支援を行っています。
役職・委員等(任期中)
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