レアメタルを確保する動きが世界で高まっています。資源の少ない日本はどう対応するのでしょうか。
2023年4月、中国は高性能レアアース(希土類)磁石の製造に関する技術の輸出禁止に向けて検討を進めると発表しました。レアアースは、31鉱種あるレアメタルの一種で、17種類の元素(希土類)の総称です。これがないと、電機・電子部品の製造が困難となり、電気自動車や再生可能エネルギーへの転換は危機的状況になります。
日本は2022年12月、経済安全保障推進法における特定重要物質として、抗菌性物質製剤、肥料、永久磁石、工作機械・産業用ロボット、航空機の部品、半導体、蓄電池、クラウドプログラム、天然ガス、重要鉱物及び船舶の部品の11物資を政令で指定しました。さらに経済産業省は2023年1月、「重要鉱物に係る安定供給確保を図るための取組方針」を公表し、2023年3月には「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定しました。
しかし、日本でレアメタルを採掘することは難しく、都市鉱山からこれを回収するシステムは確立していません。輸送コストの削減、効率的な抽出への技術的・資金的課題をどう解決するのでしょうか。資源有効利用促進法の改正だけでは対応できないように思います。
https://www.cao.go.jp/keizai_anzen_hosho/supply_chain.html
https://www.meti.go.jp/policy/economy/economic_security/metal/index.html
https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230331010/20230331010.html
<本コラムの執筆者>
佐藤泉法律事務所 弁護士 佐藤 泉
環境関連法を主な専門としております。特に、企業の廃棄物処理法、土壌汚染対策法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等に関連したコンプライアンス体制の構築、紛争の予防及び解決、契約書作成の支援を行っています。
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