前回の記事では、日本のフードシェアリングアプリにおいて様々なアプリをご紹介しました。
今回はその元祖的存在ともいえるアプリの紹介と共に、海外での様々な食品ロス改善における取組みを国別でご紹介します。
フードシェアリングアプリの火付け役および元祖的存在として一躍有名となった"Too Good to Go"は、
廃棄寸前の売れ残った料理があるレストランをユーザーが探し、それを格安で買うことのできるサービスです。
デンマーク発のサービスで、先述のような社会的な背景から英国で注目を集めています。
【特徴】
・料理のオーダー方法は、
1. ウェブサイトやアプリ(iOS/Android)からログイン
2. 現在地から近い料理を提供する店とメニューの情報を教えてくれる
3. メニューを選ぶ
4. オンライン決済
5. 決められた時間(大抵はランチ後のアイドルタイムやレストランの閉店1時間前)に店に行く
6. 持ち帰り用ボックスに入った料理を受け取れる
・料理の価格は2ポンド(約260円)から、高くても3.8ポンド(約500円)
・Instagramの公式アカウントでは加盟レストランのその日のメニューの写真が投稿されていますが、一見残りものには見えません。
ユーザーからも「素晴らしい」「とても良いアイデアだ」と高評価。
「ベジタリアンメニューを充実させてほしい」「自分の住む地域にもサービスを広げてほしい」といった要望も多数寄せられています。
また、フードシェアリングアプリの他に、各国では食品ロスを改善するために様々な改善策があるので国別で紹介します。
(画像は下記より引用)
App Store, Too Good to go
①ドギーバッグ(アメリカ)
アメリカでは外食での食べ残し食品を持ち返ることを推奨しているのですが、その際に使用する容器を「ドギーバッグ」といいます。
②食品廃棄の量に対して罰金徴収(フランス)
フランスでは、2016年2月から「食品廃棄禁止法」という、大型のスーパーマーケット(400㎡以上の大型スーパー限定)が、
売れ残りや賞味期限切れの食品を廃棄することを禁止し、廃棄量に合わせて罰金が徴収されるという法案があります。
余った食品は貧困層へと行き届くように、ボランティア団体へ寄付することが義務づけられています。
③賞味期限切れ食品の専門スーパー(デンマーク)
賞味期限切れ・もしくは包装に傷や汚れのある食品の専門スーパーが、デンマークのコペンハーゲンにオープンしました。
このスーパーはボランティア団体が運営しており、最大半額の料金で商品が売られています。
④余剰食品をシェアする連帯冷蔵庫の設置(スペイン)
スペインでは、地域ごとに「連帯冷蔵庫」という、一般家庭や飲食店から出る余剰食品、
もしくは賞味期限の近づいた食品をこの冷蔵庫に入れ、
貧困者の手へ渡るようにした大型冷蔵庫が設置されました。
冷蔵庫の中身はボランティア団体によって定期的にチェックが行われています。
このように、まだまだ課題が残されてはいるものの、食品ロスの問題を重く受け止めた外国の行政やボランティア団体は、
積極的に削減対策に取り組んでいます。
(引用)
店通,「海外での改善策は?食品廃棄を減らすために私たちができること」2018年10月8日
では、これだけ海外ではさまざまな対策が取られているのに、日本でこのような目立った施作が行われていないのはなぜでしょうか。
日本でもドギーバッグ普及活動などが行われてきましたが、衛生面での問題が壁となり、なかなか浸透していないというのが現状です。
もちろんドギーバッグで持ち帰った食品の管理に関しては、あくまで“自己責任”という認識となっています。
しかし、高温多湿の日本の気候では、より食中毒の危険性が高く、アメリカと同じようには店舗側にも消費者側にも浸透しませんでした。
また上記に加えて、日本の食品業界には“3分の1ルール”という商習慣があります。
製造されてから賞味期限に至るまでの品質保持期間を3分割して計算し、それぞれの期限を過ぎてしまうと廃棄扱いになってしまいます。
製造元から小売店に商品が届くまでの「納品期限」、小売店から消費者の手に渡るまでの「販売期限」と、
最後は消費者が食べる期間として「賞味期限」が設定されています。
なるべく鮮度のいい食品を消費者の手に届けたいという目的で設けられたと言われていますが、
特に日本は他国と比べて期限が短い、判断が厳しいという指摘があります。
経済産業省でもこのルールを緩和する方針を打ち出しましたが、なかなか浸透には至りませんでした。
日本でこのルールを徹底的に緩和しない限りは、食品ロス改善への道のりは厳しいようです。
このように日本では、気候・衛生面・商習慣・また消費者の意識によって、
海外での取り組みをそのまま取り入れることが非常に難しい現状があります。
今後の日本での食品ロスの解決のためには、これらの問題を克服するためのアイディアが早急に必要とされています。
一方で、日本でも多くの取り組みが取り上げられており、
身近な問題として個人の食品ロスに対する意識が高まりつつあります。
「食べ残しをしない」「冷蔵庫の中の食材を食べきる」など、
食品ロス問題に対して、私たちがすぐにできる取り組みはたくさんあります。
たとえ日本の食環境に対するルールが厳しくても、
一人ひとりが強い意識を持つことで食品ロスの削減へ繋がるのではないでしょうか。
当社では、「食品ロスを減らしたい」というお客様からのご相談に解決策をご提示しています。
事業から出る食品ロスは、全体の55%を占めています(農林水産省, 2016年)。
ごみとなってしまっている食品ロスを見直すことは、
日本国内の食品ロス量だけでなく、廃棄物処理コストの低減にもつながります。
ここでは、飲食店から出る食品ロス問題解の決事例をご紹介します。
あるお客様が運営されている都内の海鮮系居酒屋では、
毎日市場から仕入れた魚をおろす際に大量の魚あら(頭や皮など)が発生しており、
その多くは生ごみとして捨てていました。
そこで、魚あらは分別して排出すればリサイクルができることをお伝えし、
店舗での分別や排出方法のご提案をしました。
結果として、無償回収でのリサイクルフローを構築することができました。
回収された魚あらは「魚粉」となり、養殖魚のエサなどに活用されています。
水分量が多く重い魚あらが生ごみでは無くなったことで、
廃棄物処理費用も月額数千円の削減ができました。
このように、日々ごみとして捨ててしまっている食品ロスも、
新しい視点で見ればロスではなく「資源」となります。
魚あらと同様に、貝のあらや豚骨のリサイクルも可能です。
回収条件など詳しくはお問合せください。
ある都内のお弁当屋さんを経営されているお客様は、
日々のごみをできるだけ減らし、資源物をリサイクルしたいと考えていらっしゃいました。
毎日のごみの内容を詳しく見せていただくと、
揚げ物をつくる際の廃油(使用済み油)を凝固剤で固めて生ごみとして捨てていたことがわかりました。
廃油は、リサイクルフローが確立されている品目の一つです。
排出方法や回収日程をご提案のうえ、ごみではなく資源として無償回収ができるようになりました。
凝固剤の費用だけでなく、重量のある固めた油の廃棄が無くなったことで
リサイクルだけでなくコスト削減も実現することができました。
▶事例について詳しくはこちら
廃油のリサイクルは多くの飲食店やコンビニなどで浸透していますが、
いまだにごみとして廃棄されているケースもあります。
廃油は、地域や量によっては有償回収のご提案もすることが可能です。
回収条件など詳しくはお問合せください。
店通,「海外での改善策は?食品廃棄を減らすために私たちができること」2018年10月8日,
CNETJAPAN, レストランと消費者をつなぐマッチングアプリ「Too Good To go」が食品ロスを減らす,2018年10月8日,
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