(WIRED「「世界のゴミ捨て場」が消えた──中国の廃プラ輸入規制は環境保護につながるか」 , 2018年7月1日)
『中国の資源ごみ輸入禁止による世界の影響』では、
輸入禁止の経緯と、それに伴った近隣諸国への影響について触れました。
輸入禁止を受けてから、実際に世界ではどのような動きが起こったのでしょうか?
2018年6月23日にインドのムンバイで、使い捨てプラスチック製品が使用禁止となりました。
この規制は、袋やカトラリー、カップ、ボトルなどの使い捨てプラスチック製品の使用を禁じるものです。
初回の違反では、約8000円の罰金があり、
繰り返し違反すると約4万円の罰金と3ヶ月の禁錮刑が科される厳しい内容となっています。
ムンバイ当局の調査では、
バーガーキング・マクドナルド・スターバックスなど
有名企業を含む、132店舗が違反を指摘されました。
現在インドの大多数の州では、使い捨てプラスチックが完全に、または部分的に使用を禁止されており、
ナレンドラ・モディ首相は2022年までに使い捨てプラスチックを全廃すると表明しました。
インドに限らず、各国でこのようなプラスチック製品の規制の動きが加速しています。
(一般社団法人環境金融研究機構 「インド・ムンバイで始まったプラスチック製品使用禁止規制、マクドナルドやスタバなど132店舗で違反見つかる。小売業者は混乱(AFP)」,2018年6月27日)
非常に厳しい要件(汚染レベル0.5パーセント以下)を満たしていれば、
再生プラスチックを中国へ輸出する事が出来ます。
その基準を達成すべく取り組んでいるのは、アメリカのサンフランシスコ市です。
サンフランシスコを始めとした米国の都市は、
ほかの国々に資源ごみを輸出せずに廃棄物ゼロを達成するためのインフラがありません。
そこで、廃棄物回収会社「Recology」は、
サンフランシスコのごみの汚染レベルを「最大1パーセント」に下げるべく、
仕分け担当者をさらに雇用し、リサイクル過程を改善しました。
サンフランシスコの商業廃棄物ゼロ部門 シニアコーディネーターを務めるジャック・メイシーは、
「Recologyは、大量の素材を高精度で仕分けすることに尽力してきました。
素材の汚染レベルを下げられれば、そのぶん得られるものが増えます。
選別が巧みに行われるほど、
リサイクル可能な積荷を売買向けに用意することがいっそう簡単になるのです」
と語っています。
( WIRED「「世界のゴミ捨て場」が消えた──中国の廃プラ輸入規制は環境保護につながるか」 , 2018年7月1日)
プラスチックの規制だけではなく、このように資源として循環させる取り組みも活発化しています。
中国が廃プラスチックの輸入規制を始めたことで、世界は急速に動き出しました。
プラスチック製品の使用禁止や汚染除去以外にも、
EUでは使い捨てプラスチックへの課税が検討されていたり、
各企業でバイオプラスチック製品の開発が行われています。
世界ではプラスチック問題解決に向けて解決方法が模索されています。
国や業界の状況により、最適な解決方法は変わってくるでしょう。
日本においてもプラスチックの使用規制はもう、遠い未来の話ではありません。
国、行政や企業レベルだけではなく、「一人一人が自分事として考えるべき問題である」ということを
私たちも認識する必要がありそうです。
WIRED「「世界のゴミ捨て場」が消えた──中国の廃プラ輸入規制は環境保護につながるか」 , 2018年7月1日,
一般社団法人環境金融研究機構 「インド・ムンバイで始まったプラスチック製品使用禁止規制、マクドナルドやスタバなど132店舗で違反見つかる。小売業者は混乱(AFP)」,2018年6月27日
Yahoo!Japanニュース「世界最大のごみ捨て場」中国の終焉ー日本のプラスチックごみはどこへいく」,2018年7月16日
https://news.yahoo.co.jp/byline/mutsujishoji/20180716-00089455/
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