野菜には、市場で定められた「規格」というものがあります。
大きさはS・M・L、色や形、品質はA・B・Cなど(優・良・並)で振分けられています。
規格外野菜は、曲っている、キズがついている、色が薄い、太さが足りないという理由で、定められた規格にあてはまらない野菜を指します。
規格外野菜のほとんどが店頭に並ぶことなく廃棄処分されており(一部はカット野菜や加工食品として流通)、
その廃棄率は生産量の約40%にも達します(※)。
日本の食糧自給率40%(先進国で最低基準)対策を進めていますが、一方で、食べられるものを大量に廃棄しているのです。
※農家や専門家の方にヒアリングをした弊社推計
スーパーの野菜コーナーに行けば、どれも形、大きさ、長さが整った同じものが並んでいます。
トマトは色むらや割れがなく丸い。キュウリも濃い緑でまっすぐ、同じ長さです。
産地表示により、今では当たり前のように、生産者が誰かまで分かります。
しかし、味についての説明や野菜への想いまでは、ふつう表示されていません。
野菜の規格化は、取引の簡素化、流通の合理化や出荷の簡素化を図る目的であり、
どの産地から来てもスーパーに並べられるというメリットがあります。
しかしこの規格が厳しいがために、一般市場に出回らない規格外野菜が、
生産者から出荷されるものの20~30%を占めるという現状を生んでしまっています。
規格野菜の根底には、小売店や消費者が安心・安全・安価を求める一方で、
「美しくて形の良いものしか買わない。売れない」
という見た目の美しさで商品の良し悪しを判断する傾向が強くあるようです。
2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」において
「持続可能な開発目標(SDGs)が発表され、廃棄の削減についても目標が設定されました。
具体的には食品ロスの削減、食品リサイクルの推進といったゴール達成を通じて、
社会課題解決を目指していかなければなりません。
市場に流通しない規格外野菜は、生産者が消費するか、食品加工工場などで安値で取引をされています。
そこで消費しきれなかった野菜は廃棄されてしまい、食品ロスになってしまうのです。
食べられる野菜が廃棄されてしまうのは、とてももったいないことです。
また、社会課題という広い視点から見ても、食品ロスは低減していかなければなりません。
こうした規格外野菜の「もったいない」を無くしていくには、
まずは問題を知ることから始まります。
規格外野菜と食品ロスの問題を多くの人が知り、
他の野菜と同様に購入し食べるようにするようになれば、規格外野菜の「もったいない」は減っていくことでしょう。
そこで当社では、規格外野菜について生活者に知ってもらうため、あるイベントに参加しました。
10月26日 (金)~10月28日 (日)に新宿で行われた、一般財団法人フードサルベージさん主催の「キッチンキャンパス」です。
イベントにおいて、【産直野菜 "Wild Vegetable" マルシェ】と題して規格外野菜を販売し、啓発を行いました。
イベントの概要や様子は、次の記事で紹介します。
(掲載画像引用先)
農林水産省
山本 なほ,2009,"規格外野菜って何だろう?"
農林水産省HP,"食品リサイクル・食品ロス”
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