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コラム 2024.07.11

特別管理廃棄物とは?種類・該当する品目などについて詳しく解説

爆発性や毒性、感染性のある「特別管理廃棄物」は、人の健康や生活環境に被害を生じさせる恐れがあるため取り扱いには注意しなければなりません。今回この記事では、そんな「特別管理廃棄物」にクローズアップ!特別管理廃棄物の特徴や種類、該当する具体的な分類などについて詳しく解説します。

1.特別管理廃棄物とは

廃棄物処理法に定義されている「特別管理廃棄物」とは、「爆発性・毒性・感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずる恐れのある性状を有する廃棄物」のこと。

通常の産業廃棄物より、さらに厳しい規制と処理基準が設けられているので保管・処分には気を付けなければなりません。

 

2.特別管理廃棄物の種類

前項で解説した特別管理廃棄物は「特別管理一般廃棄物」と「特別管理産業廃棄物」に分類されます。

 

一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物であり、産業廃棄物の条件を満たしていないものを指します。

一方、産業廃棄物とは、事業活動に伴って発生した廃棄物の内、法令で定められた20品目に該当する廃棄物のこと。事業活動により生じた廃棄物でも、これらに該当しなければ一般廃棄物と分類されます。

 

どちらも取り扱いに注意しなければならないことには変わりありません。

ですが、「特別管理産業廃棄物」を排出する事業者は、事業所ごとに「特別管理産業廃棄物責任者(特管責任者)」を設置する必要性があると廃棄物処理法にて定められています。

 

また、この「特別管理産業廃棄物責任者」になるためには、日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の指定講習会を一日受講して試験に合格しなければなりません。

(ただし、感染性産業廃棄物を排出する場合は、医師や看護師などの資格を持つ方は講習を受講しなくても“特別管理産業廃棄物責任者”になることができます)

 

3.特別管理一般廃棄物

「特定管理一般廃棄物」に該当する具体的な分類は以下の通りです。

 

 PCB使用部品 廃エアコン、廃テレビ、廃電子レンジに含まれる、PCBを使用する部品
 廃水銀 水銀使用製品が一般廃棄物となったものから回収した廃水銀
 ばいじん ごみ処理施設の集じん施設で生じたばいじん
 ばいじん、燃え殻、汚泥 ダイオキシン特措法の特定施設である廃棄物焼却炉から生じたもので、ダイオキシン類を3ng/gを超えて含有するもの
 感染性一般廃棄物 医療機関等から排出される一般廃棄物であり、感染性病原体が含まれているor付着している恐れのあるもの

【参照】特別管理廃棄物規制の概要(環境省)

 

4.特別管理産業廃棄物・特定有害産業廃棄物

「特別管理産業廃棄物」に該当する具体的な分類は以下の通りです。

 廃油 揮発油類・灯油類・軽油類

※難燃性のタールピッチ類等を除く

 廃酸 著しい腐食性を有するpH2.0以下の廃酸
 廃アルカリ 著しい腐食性を有するpH12.5以上の廃アルカリ
 感染性産業廃棄物 医療機関等から排出される産業廃棄物であり、感染性病原体が含まれているor付着している恐れのあるもの

【参照】特別管理廃棄物規制の概要(環境省)

 

 

5.特定有害産業廃棄物

さらに、特別有害産業廃棄物の中でも、特に有害性の高い物質あるいはそれらを含む廃棄物は「特定有害産業廃棄物」と分類されます。

特別有害産業廃棄物と名前は似ていますが、産業廃棄物の中でも最も危険な分類の廃棄物が特定有害産業廃棄物です。

これに特定有害産業廃棄物に該当する具体的な分類は以下の通りです。

 

 廃PCB等 廃PCB(原液)及びPCBを含む廃油
 PCB汚染物 ・PCBが染みこんだ汚泥・PCBが塗布され、または染みこんだ紙くず

・PCBが染みこんだ木くず、繊維くず

・PCBが付着し、または封入されたプラスチック類、金属くず

・PCBが付着した陶磁器くず、がれき類

 PCB処理物 廃PCB等またはPCB汚染物を処分するために処理したもので、PCBを含むもの*1
 廃水銀等 ・特定の処理施設*2において生じた水銀・水銀もしくはその化合物が含まれている産業廃棄物、または水銀使用製品が産業廃棄物となったものから回収した廃水銀
 指定下水汚泥 下水道法施行令第13条の4の規定により指定された汚泥*3
 鉱さい 重金属等を一定濃度を超えて含むもの*4
 廃石綿等 石綿建材除去事業に係るもの、または大気汚染防止法の特定粉じん発生施設が設置されている事業場から生じたもので飛散する恐れのあるもの
 燃え殻 重金属等、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むもの*5
 ばいじん 重金属等、1,4−ジオキサン、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むもの*6
 廃油 勇気塩素化合物等、1,4−ジオキサンを含むもの*7
 汚泥、廃酸または廃アルカリ 重金属等、PCB、有機塩素化合物等、農薬等、1,4−ジオキサン、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むもの*8

*1~8の詳細については環境省のホームページをご参照ください。

【参照】特別管理廃棄物規制の概要(環境省ホームページ)

 

特定有害産業物質とみなされる判断基準は、有害物質の含有量です。

環境省が公表する判定基準表の基準値を超えると、それぞれの廃棄物が特定有害産業廃棄物として扱われます。

【参照】特別管理産業廃棄物の判定基準(環境省)

 

上記で挙げた特定有害産業廃棄物は焼却処分の他、性状によってはリサイクルが可能です。

例えば、腐食性廃酸および腐食性廃アルカリは通常の廃酸もしくは廃アルカリと同じ様に処理・リサイクルできますし、引火性廃油も通常の廃油と同じ様にリサイクルできます。

 

また、有害性物質の除去が難しいものでも、焼却などの中間処理を実施すれば、燃え殻・ばいじんなどの残渣を使用することが可能です。

土木資材やセメント原料、路盤材などへリサイクルできます。

 

6.特別管理廃棄物の相談は、サティスファクトリーへ

特別管理廃棄物や特定有害産業廃棄物は生活環境や健康に害をもたらすことが多く、厳しい管理が必要です。

処理する際には、事業者自ら特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、資格を持つ業者に運搬・処分を委託しましょう。

ちなみに、サティスファクトリーは特別管理廃棄物や特定有害産業廃棄物に関するご相談も承っています。

特別管理廃棄物や特定有害産業廃棄物の処理にお困りでしたら、サティスファクトリーまでご相談ください。

この記事を書いたアナリスト

サティスファクトリー編集部

サティスファクトリーコンテンツ編集部です。 環境のことについて、今できることを考え情報を発信しております。

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