2024年7月19日、環境省は広域認定制度に基づく製造者の自主的回収品目として、1人用小型車等を追加するためのパブリックコメントを開始しました。
廃棄物処理法は、廃棄物の収集運搬・処分について、一般廃棄物については一般廃棄物処理業、産業廃棄物については産業廃棄物処理業の許可を得た者に委託しなければならないとしています。その例外として、製造者等が環境大臣から広域認定を取得して自主的な回収・リサイクルを構築することが認められています。特に一般廃棄物については市町村の処理責任を貫徹するために、市町村が処理困難であると特定された品目しか、広域認定の対象にできません。今回は、移動用小型車等について、自主的回収・リサイクルを認めることにしました。条文の読み方は、少し複雑です。
まず、法施行規則2条9号の一般廃棄物収集運搬業の許可を要しない品目として「自動車、原動機付自転車、移動用小型車、身体障害者用の車又は遠隔操作型小型車の部品であるリチウム蓄電池を追加する。」とされています。これは販売店が対象の廃棄物を運搬・保管することを認めるものであり、古タイヤ等と同じ扱いです。販売店は処分はできないため、第三者に処分を委託する必要があります。
次に、広域的処理に係る特例の対象となる一般廃棄物(平成 15 年環境省告示第 131 号)対象品目として「移動用小型車、身体障害者用の車(原動機を用いるものに限る)又は遠隔操作型小型車が一般廃棄物となったものを追加する。」と記載されています。広域認定を取得すれば、製造者による収集運搬と処分の両方が出来るようになります。自動車と原付自転車については、自動車リサイクル法と広域認定がすでにあるので、広域認定の対象品目から外れたということだと思います。
一般廃棄物について、製造者や販売者の自主的リサイクルを進めにくい、という根本的な法的課題があります。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195240025&Mode=0
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000277024
<本コラムの執筆者>
佐藤泉法律事務所 弁護士 佐藤 泉
環境関連法を主な専門としております。特に、企業の廃棄物処理法、土壌汚染対策法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等に関連したコンプライアンス体制の構築、紛争の予防及び解決、契約書作成の支援を行っています。
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本コラムは、上記Webサイトから執筆者の了解を得て転載しております。
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