この記事では、産業廃棄物のひとつである“汚泥”の種類や主な処理方法について徹底解説。 併せて、業者に処理を依頼する際に注意すべきポイントをご紹介します。 「汚泥の処理方法がわからない…」「処理業者選びに悩んでいる…」という方は必見です!
汚泥とは、事業活動に伴い発生した泥状物質の総称。
“産業廃棄物”のひとつであり、年間を通して最も多く排出される産業廃棄物です。
環境省が発表した産業廃棄物の処理状況によると、令和2年度に排出された汚泥はなんと170,429千t!
産業廃棄物の総排出量の内43.5%を占めており、最も高い排出割合となっています。
参照:令和3年度事業 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 令和2年度速報値(環境省)
なお、汚泥には大きく分けて“有機汚泥”と“無機汚泥”という2つの種類があります。
<有機汚泥>
下水処理や食品工場などにより有機汚濁された汚泥
<無機汚泥>
主に土木工事現場や金属工場等、砂や金属成分等を多く含む排水を処理する施設・設備で発生する、無機質な遺物を含む汚泥
汚泥の種類によっては処理業者が取り扱っていない場合もあるため、分別には注意しましょう。
事業活動に伴い排出された汚泥は産業廃棄物に該当します。
そのため、廃棄物処理法にて定められた適切な方法で処理しなければなりません。
汚泥の処理方法は主に以下の8つです。
脱水・乾燥させてから焼却炉で燃やす処理方法。
減量化できるメリットがありますが、焼却時に生じる二次廃棄物の処理方法を確認する必要があります。
リサイクル・減量化できない場合、無機性汚泥であれば脱水・乾燥させてから埋め立てることが可能です。
ただし、廃棄物を埋め立てる最終処分場は年々利用状況が逼迫しています。
そのため、リサイクル・減量化出来る場合は別の処理方法を検討しなければなりません。
汚泥や焼却時に生じる灰は、セメントの主原料に使われている粘度と成分が似ています。
そのため、粘度の代替原料として活用されるケースも多いです。
汚泥も灰も全てがリサイクルに用いられるため、無駄がないエコな処理方法といえるでしょう。
堆肥化とは、脱水処理を行った有機汚泥を人為的に発酵させて肥料とする処理方法。
食品工場や下水処理場などから発生する有機汚泥を発酵させれば、堆肥原料として再利用できます。
メタン発酵とは、微生物に有機性汚泥を分解させてメタンガスを発生させる処理方法。
これにより生じたメタンガスを発電に利用でき、残渣を堆肥原料として再利用することが可能です。
薬剤や機械を使用して汚泥を固めて再利用する処理方法。
たとえば、建設現場で生じた浚せつ汚泥や燃え殻などの無機汚泥を混ぜ合わせると、骨材として再利用できます。
汚泥を溶融温度以上で加熱することにより、減容化と含有成分の抽出・無害化を実現する処理方法。
溶融処理で発生した溶融スラグは主に建設資材などとして活用されます。
油分と水分を分離させて処理する処理方法。
鉱物潤滑油系汚泥に加熱や遠心分離を施すと、油分と水分に分離されます。
分離した油分は、再生重油としてリサイクルされるケースもあります。
汚泥は、排出した企業が最後まで責任を持って処理する必要があります。
最終処理方法まで確認できていないと産業廃棄物処理法に反しているとみなされ、措置命令などを受ける可能性があるため気を付けましょう。
また、原則として自社で適切に汚泥処理できる施設を設けていない限り、業者に処理を委託することとなります。
その際の業者選びには、注意が必要です。
汚泥の処理を依頼できるのは都道府県に産業廃棄物処理業・産業廃棄物収集運搬業の届出を提出済かつ都道府県知事の許可を得ている業者のみ。
産業廃棄物は区分ごとに許可が分かれているため、汚泥を排出する際には汚泥の“処理許可”を得ている業者に委託しなければなりません。
最後に、汚泥の処理を業者に依頼する際に気を付けるべきポイントを3つご紹介します。
汚泥は産業廃棄物に該当するため、産業廃棄物処理業・産業廃棄物収集運搬業の届出を提出し認可を受けている業者に依頼しなければなりません。
なお、有機性汚泥か無機性汚泥によって取り扱える業者が異なる場合もあるため、種類の判別にも要注意。
例えば、産業廃棄物の処分許可証を有していたとしても、『汚泥(無機性の無害なものに限る)』と記載されていたら、有機性汚泥の収集・処分は依頼できません。
マニフェスト(管理票)とは、産業廃棄物を収集運搬・処分する際に使う産業廃棄物管理票で、産業廃棄物を収集運搬・処分する際には法律にて公布が義務付けられています。
そのため“適切に発行してもらえるか”“迅速に対応してもらえるか”という点にも着目してみましょう。
依頼後に「思っていたより費用が嵩んでしまった…」といったトラブルが発生しないよう、処理にかかる費用を明確化しておくことも大切です。
具体的な作業内容や費用はもちろん、“後々に追加料金が発生する可能性はあるのか”も忘れずに確認しましょう。
ご紹介したように、汚泥は産業廃棄物全体において最も高い排出量を占める品目で、有機汚濁された有機汚泥と、無機質な遺物を含む無機汚泥の2種類あります。
そんな汚泥の処分方法は大きく分けて8種類あり、いずれの処理方法でも排出した企業が最後まで責任を持って取り扱わなければなりません。
自社で適切な汚泥処理ができる施設を設けていない場合は委託処理となりますが、業者選びには要注意。
許可を得ている適切な業者へ処理を依頼しなければ、罰則が科されるため気を付けましょう。
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