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2018.11.19

日本の廃棄物に関する法律

日本の廃棄物の法律

日本の廃棄物の法律

 前回は、日本の廃棄物の歴史についてお伝えしました。
(日本の廃棄物リサイクル率)
実は、廃棄物処理には厳格な法律が定められていることを、みなさんご存知でしょうか。
今回は、日本の廃棄物に関する法律について取り上げます。

 廃棄物に関する法律は様々ありますが、日本の環境政策の根幹を定める環境基本法の元、平成13年1月に施行された「循環型社会形成推進基本法」が大枠となっています。この基本法では、まず製品等が廃棄物等となることを抑制し、次に排出された廃棄物等についてはできるだけ資源として適正に利用、最後にどうしても利用できないものは適正に処分する事で、「天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会」を目標としています。

 この「循環型社会形成推進基本法」のもと、廃棄物の適正処理を目的とする「廃棄物処理法」、3Rの推進を目的とする「資源有効利用促進法」の2本柱で廃棄物の法律は構成されています。
この2つの法は循環型社会を形成するためには大切な法律です。また、この2つの法律とは別に「個別物品の特性に応じた規制」があります。

今回はこの「個別物品の特性に応じた規制」にフォーカスして、内容を詳しく見ていきます。
この規則には容器包装、家電、食品、建設、自動車 、小型家電の6つの項目がありますが、今回はそのうちの3つをご紹介します。

1.容器包装リサイクル法 (1995年制定)

1.容器包装リサイクル法 (1995年制定)

―対象―
スチール缶、アルミ缶、ガラスびん 段ボール、紙パック、紙製容器包装 ペットボトル、プラスチック製容器包装

―制定の背景―
容器包装廃棄物は家庭ごみの約3割と大きな割合を占めていた。技術的にリサイクルが可能にも関わらず、リサイクルがほとんど実施されていなかった。発生を抑制するとともに、リサイクルの促進により廃棄物全体の減量を図るため、この法律が制定された。

―役割分担―
(1)消費者「分別排出」…市町村ごとの分別に協力する。また、マイバッグを持参するなどしてごみの発生抑制を行う。
(2)事業者「リサイクル」… その事業において利用した物のリサイクルを行う。また、リサイクルだけでなく、容器包装の薄肉化など発生抑制に努める。
(3)行政「分別収集」… 分別収集してリサイクルを行う事業者に引き渡す。また、事業者・市民との連携により、発生抑制の促進を行う。

2.家電リサイクル法   (1998年制定)

2.家電リサイクル法 (1998年制定)

―対象物―
家庭用エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機

―制定の背景―
粗大ごみとして排出されていたが、適正処理が困難で、有用な資源が多く含まれているが大部分が埋め立てられていた。また、フロン類によるオゾン層破壊、廃家電に含まれる有害物質による環境汚染も問題となっていた為、この法律が制定された。

―役割分担―
(1)消費者「引き渡し・費用負担」...家電製品を使った消費者が、収集・運搬、再商品化の費用を負担する。
(2)事業者「引き取り・リサイクル」...消費者家電製品を引取り、エアコンや冷蔵庫に含まれるフロンを回収及び破壊する。

3.食品リサイクル法   (2000年制定)

3.食品リサイクル法 (2000年制定)

―対象物―
食品廃棄物等、食品の製造や調理過程で生じる加工残さで食用に供することができないもの、食品の流通過程や消費段階で生じる売れ残りや食べ残し等

―制定の背景―
生産・流通段階において大量に食品が廃棄されるとともに、消費段階で大量の食べ残しが発生することで生じた食品廃棄物等は、再生利用出来るのにもかかわらず、利用されずに大量に廃棄されていた。一方で、最終処分場の残余容量の問題が深刻化していたため、この法律が制定された。

―役割分担―
(1)消費者「発生抑制・再利用促進」…購入または調理の方法を改善し、発生抑制。また利用製品の使用による再生利用促進
(2)事業者「発生抑制・再資源化・減量化」…発生抑制し、再生利用、減量化に取り組む。また、再生利用できない場合は処理時の熱回収を行う。

まとめ

普段、誰もが捨てていて、私たちが生活する上で切り離すことができないのがこの廃棄物。
もし、リサイクルをしないでそのまま廃棄物を考えなく処理してしまうと…

・埋立地があっという間に埋まり、至る所に埋立地が建設?
・資源の枯渇が起き、今みたいな豊かな暮らしができなくなる?
・フロンが適正に処理されないことで、オゾン層の破壊が進む?
・焼却する廃棄物が増え、温室効果ガス発生によって温暖化が進んでしまう?

…例えば、こんなリスクがあげられます。
自分たちが快適な生活環境で暮らしていくためにも、そして地球環境を守るためにも、
日ごろから意識してリサイクルに取り組んでいきたいですね。

①環 境 省 大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 企画課循環型社会推進室「日本の廃棄物処理の歴史と現状」

②経済産業省北海道経済産業局「環境・リサイクル-リサイクル関連法令」 

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