最近、メディアや企業が発する広告や商品・サービスのパンフレットやパッケージなどを通じて
「SDGs(エスディジーズ)」という言葉を聞いたり目にしたりする機会が増えてきました。
カラフルなピクトグラムとともに少しずつ浸透し始めてきている、この「SDGs」とは何か。
今回は企業にとっても個人にとっても決して無関係ではいられない、この重要な取り組みについて紹介していきます。
「SDGs」とは、「Sustainable Development Goals」の略です。
そのまま日本語に変換すると「持続可能な開発目標」のことを言います。
2015年9月の国連サミットにおいて、国際社会共通の目標として決められました。
このサミットでは、2015年から2030年までの開発の指針として
成果文書「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、
その中で示された具体的な行動指針が「SDGs」となっています。
SDGsは、前身となる「MDGs(ミレニアム開発目標)」を引き継ぐ目標としてスタートしました。
MDGsは2000年の国連ミレニアム・サミットで採択された開発分野における国際社会共通の目標です。
「極度の貧困と飢餓の撲滅」「HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止」など、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げました。
その内容は主に発展途上国が抱える問題に対する解決策でしたが、
先進国側による一方的設定された目標だったこともあって、
途上国の実態と乖離する部分も多いとされています。
そのため一部の目標が未達成となったり、地域によっては達成に遅れが出たりと、進展に偏りが見られました。
その課題を受けて示されたSDGsでは、「誰ひとりとして取り残さない」ことを目指して、
先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標」として見直されています。
SDGsは「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されています。
各目標に対し、それぞれ5から10のターゲットが設定されています。
17の目標とはこのようなものです。
1.「貧困をなくそう」
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
2.「飢餓をゼロに」
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
3.「すべての人に健康と福祉を」
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
4.「質の高い教育をみんなに」
すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
5.「ジェンダー平等を実現しよう」
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
6.「安全な水とトイレを世界中に」
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
7.「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
8.「働きがいも経済成長も」
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
9.「産業と技術革新の基盤をつくろう」
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
10.「人や国の不平等をなくそう」
各国内及び各国間の不平等を是正する
11.「住み続けられるまちづくりを」
包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する
12.「つくる責任 つかう責任」
持続可能な生産消費形態を確保する
13.「気候変動に具体的な対策を」
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
14.「海の豊かさを守ろう」
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
15.「陸の豊かさも守ろう」
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、
ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
16.「平和と公正をすべての人に」
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、
あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
17.「パートナーシップで目標を達成しよう」
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
1〜6の目標については、主に開発途上国に対する支援に関連し、MDGsを踏襲する目標が掲げられています。
7〜12の目標ではエネルギー、働き方、住宅、まちづくり、経済活動に関する内容となっていて、
先進国におけるテーマとしても重要です。
13〜15の目標は気候変動、海洋や陸上の自然環境についての内容、
16~17の目標は国家間の平和や協力など社会全体の内容のため、
すべての国に関連する包括的なテーマとなっています。
MDGsと違ってSDGsの認知が世界中に広がっている理由は、
世界中の誰にとっても決して人ごとではない目標が掲げられているところにあるのだとされています。
それぞれの目標に設定されている合計169のターゲットは、より具体的な行動指針です。
SDGsが注目され続けているのは、定期的な進捗状況の報告を求めるという仕組みができているからです。
報告内容の判断材料として必要となる数値目標も、ターゲットに含まれているところがポイントです。
日本におけるSDGsへの取り組みはどうでしょうか。
日本政府は安倍総理が本部長、すべての国務大臣がメンバーになって2016年5月に「持続可能な開発目標推進本部」を立ち上げ、
関係行政機関相互の緊密な連携を図って毎年具体的な「SDGsアクションプラン」を決め、推進しています。
また「ジャパンSDGsアワード」の表彰や「SDGs未来都市」の選定を通じてSDGsの啓発を行っています。
「ジャパンSDGsアワード」の受賞団体を見れば、SDGsに意欲的に取り組んでいるのが、
企業・団体・自治体・教育機関・医療機関などと幅広いことがよくわかります。
企業においても大企業ばかりではなく中小企業や農業生産法人、
地域企業などへの浸透も活発になっているようです。
まだ何も手をつけていないと思っている企業や個人としては、
どのようにSDGsに取り組んでいったらいいでしょうか。
実は、すでに行なっている小さな行動の一つ一つがすでにSDGs達成の一役を担っているかもしれません。
まずは、SDGsの「17の目標と169のターゲット」を読み、何ができるかを考えてみることが貢献への近道かもしれません。
・WEB
「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(外務省仮訳)
「SDGs Industry Matrix 日本語版」
2030アジェンダ | 国連広報センター
・書籍
『そうだったのか。SDGs』(一社SDGs市民社会ネットワーク, 2017)
『未来を変える目標SDGsアイディアブック』(Think the Earth, 2018)
『FRAU 「SDGs」特集(2019年1月号)』(講談社, 2019)
・カードゲーム
「2030SDGs」(イマココラボ)
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