記事公開時点の自治体のルールに基づいて原稿を執筆しております。
現状の自治体ルールは変更されている場合がございますので、かならず各自治体のルールを確認するようにしてください。
足立区は少子高齢化や多様化する社会による地域課題の複雑化などから、町の活力が低下することを懸念しており、区民と行政が一緒になって取り組んでいくという「協創」を基本方針としています。新しい社会は、安全・安心な暮らしの創造や高い防災力を持つ町が将来像となっています。
このような豊かな将来像を描く足立区では、最終処分場の寿命を延ばすことや、ゴミの資源化などを課題としてゴミ問題にも取り組んでいます。
当記事では、足立区で排出されるゴミの実情や区の取り組みから、ゴミ・資源の排出ルールについてご紹介します。これから足立区に転入される方や、ゴミの分別についてよくわかっていないという方はぜひ確認してみてください。
平成29年度の足立区のゴミ排出量は約13.1トン・資源回収量は約3万トンとなっています。
足立区は特に回収した資源をしっかりと資源化することに力を入れています。一部地域では、せっかく回収しても再生・利用できない資源は多く、焼却所処分されたり、不燃ゴミとして埋め立てられるケースもあります。
一方、足立区では、燃やさないゴミの資源化率は平成23年の84.2%から平成27年の92.2%まで上昇し、9割を超えています。そのため、足立区の不燃ゴミ埋め立て量の少なさは、東京23区内でもトップクラスです。不燃ゴミの資源化のために、収集された不燃ゴミはすべて人の手によって、ガラス類や金属類など細かく選別していきます。 大きな成果を出したのは、このような足立区の積極的な資源化への取り組みに加え、多くの足立区民が資源や不燃ゴミをルール通りに分別しているからこそです。
足立区では、区民がスムーズにゴミ出しをできたり、安全な環境を保つことができるような取り組みを行っています。ゴミの減量や適切なゴミ・資源の分別は、効果が出にくく、行政・区民の地道な努力が必要となります。
足立区が提供するスマートフォンアプリでは、いつでもどこからでも、ゴミの品目からゴミ分類や出し方を検索することができます。住んでいる地域の収集日や、粗大ゴミの申込も可能です。 音声で検索することもできるため、タイプが苦手な方もスムーズに検索でき、台風や自然災害などによる収集予定の変更なども確認できるため、便利に活用することができます。
平成22年以降・収集所に出される資源の持ち去りを禁止するよう「足立区廃棄物の処理及び再利用に関する条例」を改正し、過料2,000円を科すことになりました。その後、平成25年にはGPSを使って、条例違反に関する実態調査を行っています。また、平成27年には持ち去り行為に対して20万円以下の罰金を科すよう条例を改正し、資源の勝手な持ち去りの取り締まりを強化しました。平成30年は、口頭注意は3,000件超、過料の支払いは21件、氏名の公表は11件もありました。区内2例目でもある罰金による罰則も1件あったことから、管轄の警察署とさらに対策を強化していくとしています。
区民には、区が作った持ち去りの禁止シートを貼付することも、持ち去りの抑制力となるため、活用を呼びかけています。新聞紙や雑誌の上に禁止シートをのせて、一緒に縛るだけなので、利用も簡単です。その他、資源の持ち去り禁止看板も無料で貸し出しを行っているため、希望者は一度相談してみましょう。
ゴミ集積所におけるカラスによるゴミの荒らし行為は、多くの地域で住民を悩ませてきました。防鳥ネットを利用しているところも多いようですが、ネットがずれていたりすると、ゴミが引っ張り出されることもめずらしくありません。
このような状況を打開するため、防鳥ネットよりも効果的な対策として、足立区では「とりコン」という蓋つきのゴミ収集ボックスの貸し出しを行っています。折り畳みタイプなので、収納スペースにも困らず、鳥や猫からの荒らし被害を防止できます。大型・小型の大きさも2タイプあり、使用場所に応じて使い分けることができます。
足立区では、「資源の出し方 ごみの出し方」としてリーフレットを作成しています。このリーフレットは、英語・中国語・韓国語に翻訳されており、外国人を含む区民全員に対しても適切なゴミ出し・資源の分別を求めています。 足立区でのゴミの排出は、このリーフレットをもとに行っていくこととなります。
まずは家庭から出るゴミの分別や処分についてご紹介します。いずれの廃棄物も朝の8時までに集積所もしくは指定の場所にゴミを出しておきましょう。
■燃やすごみ
燃やすごみは、週に3回回収が行われます。出す際は、蓋つきの容器もしくは中身の見える袋で排出します。生ごみを含め、プラスチックやゴム・革製品・廃油も燃やすごみとしてまとめましょう。
■燃やさないごみ
燃やさないごみの回収は月に2回です。こちらも蓋つきの容器もしくは中身の見える袋に入れて出しましょう。
割れたガラスや陶磁器類・金属類・小型家電リサイクル法の対象品目以外の小型家電製品・乾電池・ライターなどが該当します。
水銀を使った製品も燃やさないごみとして排出します。割れたものや刃物など鋭利なものを含む場合は、厚紙などで包んでから「キケン」と表示して出してください。
■資源
資源の回収は、週に1回。雨に濡れていても回収可能なため、雨天でも回収は行われます。対象品目は、古紙・ビン・缶・ペットボトルです。スプレーやカセットボンベも資源に該当しますが、中身はしっかりと抜いてから排出するようにしましょう。
缶ビンはそれぞれコンテナが決まっているため、分別して出してください。割れたビンや汚れた缶ビンは回収できないため注意してください。
粗大ごみは、東京都が管轄する粗大ごみ受付センターに回収を依頼する予約制です。インターネットか電話から収集の依頼と収集日の申込みをしましょう。 廃棄に関しては、手数料が必要であるため、有料であることもしっかりと認識しておく必要があります。不法投棄には、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により、5年以下の懲役または1,000万円以下と思い罰則が定められているためです。
廃棄にかかる手数料は、品目によって異なります。粗大ごみ受付センターの足立区のページから、対象の品目と料金が確認できます。400~2,800円の粗大ゴミは200円の処理券Aと300円の処理券Bを組み合わせて支払います。この処理券は、排出当日に粗大ゴミに貼付する必要があり、足立区内にある有料ごみ処理券取扱所で購入しましょう。
粗大ゴミは基本的に収集依頼を申し込む方式ですが、指定持ち込み場所へ持ち込むことも可能です。持ち込みの場合は1回10個・年間2回までと決められています。足立区の持ち込みの場合は、手数料が無料となります。持ち込みの場合も事前の申し込みは必要であるため、インターネットか電話で申込みを行って、収集予約日を決めてから持ち込みましょう。 粗大ゴミに関しては、テレビやエアコンなどの家電リサイクル法は粗大ゴミに該当しないため注意が必要です。粗大ごみ受付センターのページで検索しても該当の品目が粗大ゴミに該当するのかがわからない場合は、受付センターへの問い合わせが必要です。
事業活動から出される廃棄物は、自らの責任で適切に処理を行う・もしくは許可業者へ収集運搬・処分を委託する義務があります。事業系の一般廃棄物は足立区、産業廃棄物は東京都が許可した業者へ処分を委託しましょう。
産業廃棄物とは、事業活動に伴う廃棄物の中でも汚泥や廃油・廃酸など指定の20種類の廃棄物を指します。産業廃棄物の処理を管轄するのは東京都であるため、問い合わせは「東京都環境局廃棄物対策部産業廃棄物対策課」もしくは「一般社団法人東京産業廃棄物協会」に行いましょう。 産業廃棄物は環境や生活に影響する可能性があるため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により保管から処分まで詳細が定められています。違法行為への罰則も厳しく、無許可業者との契約や委託基準の違反や廃棄物の不法投棄に関しては、5年以下の懲役1,000万円以下の罰金が科される可能性があります。法人が不法投棄をした場合は、罰金の上限が3億円となるため、業務上で発生する産業廃棄物の処理には特に注意が必要です。
一方、事業系の一般廃棄物は、産業廃棄物以外のゴミとなります。委託の際は、1キロ40円までという上限があるため、許可業者との契約の際は金額を確認しましょう。
基本的に、事業活動による廃棄物の処理は、事業者自らが適切に処分しなければなりませんが、少量であれば、足立区が処分を代行してくれます。この場合は、「足立区事業系有料ごみ処理券」を購入し、有料で廃棄物を引き取ってもらうことになります。資源を出す場合も同様に、処理券を購入し、ゴミ袋もしくは古紙などには縛った上で貼付して排出しましょう。
今回は足立区のゴミの処理方法や、ゴミの減量への取り組み、廃棄物の資源化に向けた努力を紹介してきました。 足立区の不燃ゴミにおける資源化は、東京23区内でも特に秀でたパーセンテージで行われています。足立区民の分別に対する努力に加え、人の目で見てしっかりと選別されることで高い資源化率を獲得しました。 可燃ゴミの中にも、資源が混ざっているケースが多くあるため、不燃ゴミに加えて可燃ゴミの資源率アップも目指しています。 そのためには、区民が資源・燃えるゴミ・燃えないゴミ・粗大ごみ・リサイクル対象品目といった廃棄物の分類をしっかりと知っておく必要がります。足立区が展開するアプリやリーフレットを参考に、適切なゴミ・資源の分別・排出を行っていきましょう。
※当記事は公開当初の情報に基づき執筆しております。(最新の情報は行政HPをご確認ください。)
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