あきる野市は、東京都多摩地区西部に位置しています。電車はJR五日市線が乗り入れていますが、本数が少ないことから交通の便は少し不便と感じる人もいるでしょう。新宿駅や品川駅までは、1時間半~1時間40分程度かかります。 しかし、あきる野市は自然が豊かで、四季の移り変わりを感じながら、のびのびと暮らすことができます。治安・住環境が良く、教育環境も整っていることから、ファミリー層に人気があります。
それでは、当記事ではあきる野市のゴミの処理方法を紹介します。家庭ゴミ・事業系ゴミそれぞれについて見ていきましょう。
2018年度のあきる野市の年間ゴミ排出量は、約2.3万トンです。これは、1日1人あたりの排出量に換算すると約783グラムです。ゴミ排出量は、2000年度に約2.8万トン、2015年度に約2.5万トンと徐々に減量が見られます。1日1人あたりの排出量も、2000年度に997グラム、2015年に871グラムと減少しています。 1日1人あたりのゴミ排出量の全国平均は、約920グラムであることから、あきる野市の数値はそれほど多くはありません。しかし、日本は世界的に見ても多くのゴミを排出している国であり、一層のゴミ減量が全国的に進められています。
ここからは、あきる野市がゴミ減量のために力を入れている取り組みについて紹介します。
食品ロスは、日本全国で問題になっている問題です。日本では、1日1人あたりお茶碗一杯、年間にして約620万トンの食材が、食べられることなく捨てられています。600万トンという数字は、国連の食糧援助量の約2倍にあたります。
あきる野市では、食品ロスを減らすためにアンケートを行ったり、食品ロスを減らすための情報提供を進めています。また、家庭や職場で使いきれずに余っている食品を集めるフードドライブも実施しています。フードドライブで集められたお米や缶詰などは、NPOや支援が必要な人に受け渡されます。
また、食品ロス・廃棄物で大きな割合を占めている生ごみは、堆肥化することで削減することが可能です。生ごみを堆肥化する処理バケツは、条件をクリアすれば、あきる野市で貸与されています。
あきる野市では、家庭から出る廃棄物の内、可燃ごみ・不可燃ごみに市指定の有料収集袋を採用しています。ゴミのみを有料化することで、ゴミとして排出していた資源を正しく分別するという意識付けを行うことができます。 指定収集袋は、市内のコンビニやスーパーなど取扱店で購入しましょう。
袋の色 | ミニ袋(5リットル) | 小袋(10リットル) | 中袋(20リットル) | 大袋(30リットル) | 特大袋(40リットル) | |
---|---|---|---|---|---|---|
可燃ごみ | 黄色 | 70円 | 150円 | 300円 | 450円 | 600円 |
不燃ごみ | 青色 | 70円 | 150円 | 300円 | 4500円 |
それでは、一般家庭から出されるあきる野市のゴミ・資源の分け方・出し方を紹介します。廃棄物を排出する際、一戸建ての場合は道路に面した自宅の敷地内に置いてください。道路と自宅敷地の間に階段がある場合も、道路ではなく階段のうえに置いてください。集合住宅の場合は、指定の集積場に排出してください。 排出時間は、収集日の朝8:00までです。
家庭ゴミの可燃ごみ・不可燃ごみには市指定の収集袋を使いましょう。
■可燃ごみ
可燃ごみの収集は、週に2回あります。
可燃ごみには、生ごみ・ばんそうこう・生理用品・資源にならない紙類・食用油・葉・板・棒・木の枝・プラスチック・発泡スチロール・皮革類・ゴム・ビニール類・アルミ箔・ビデオテープなどが該当します。1回に排出できる量は10袋までです。
資源にならない紙類には、感熱紙・写真・カーボン紙・シュレッダーごみなどです。
板は、1辺の長さが40センチメートル・厚さ4センチメートル以下にしてください。棒は長さ50センチメートル・直径5センチメートル以下です。どちらも指定収集袋から出ないように入れましょう。
木の枝は、長さ5センチメートル・太さ5センチメートル以下にしてひもで縛ってください。1束は30センチメートルまで、1回の排出で5束までです。
■不燃ごみ
不燃ごみの収集は、2週間に1回あります。
不燃ごみには、陶器類・ガラス類・鋭利なもの・小型家電などが該当します。
割れたガラスは危険がないように新聞紙や古布で包んでから、指定収集袋に入れましょう。また、袋には「ガラス」と表記してください。
針・釘・包丁など鋭利なものは、硬い容器などに入れたうえで袋に入れ、品目を表示して出してください。
小型家電は、ポットやトースターなどが該当します。使用済小型電子機器と呼ばれる携帯電話・ディスプレイ・デジカメ・携帯ゲームなどは、リサイクルが推進されているため、不燃ごみとして排出しないでください。
■缶・金属びん類
缶・金属・ビン類の収集は、2週間に1回あります。
缶・金属には、空き缶・鍋・フライパン・アイロン・のり缶などが該当します。
缶の排出には、長さ50センチメートル・重さ5キロメートルまで、大きさは20リットルまでなど制限があるため注意しましょう。中身が汚れているものは、洗ってから排出してください。
びん類には、お酒のびん・ジュースのビン・哺乳瓶・食用油・調味料のびんなどが該当します。
キャップや栓を取り外して出してください。外したキャップや栓は、可燃ごみの対象です。びんの中は、綺麗に洗ってください。
■紙類・布類
新聞紙・折込チラシ・雑誌類・ダンボール・紙パック・布類などが該当します。
排出する際は、十字に縛って排出してください。紙袋に入れた場合も、他の雑誌類と重ねてひもで十字に縛ってください。
雑誌類には、雑誌・カタログ本のほかに、メモ紙・画用紙・封筒・包装紙・菓子箱などの雑紙も含まれます。小さい紙は、封筒や紙袋に入れたり、雑誌の間に挟んで排出できます。
■有害ごみ
有害ごみの収集は、2週間に1回あります。
有害ごみは、①蛍光管②乾電池・水銀タイプの体温計③カセット式ガスボンベ・スプレー缶・ライターの3つに分別されます。
蛍光管は、購入時の箱か、新聞紙に包んだうえで「蛍光灯」と表示して排出してください。電球・LED・白熱電球は、不燃ごみの収集対象です。
カセット式ガスボンベ・スプレー缶・ライターは、中身を使い切ってから出してください。穴は開けずに排出してください。
■ペットボトル
ペットボトルの収集は、2週間に1回あります。
ペットボトルは、PETマークがついているボトルを指します。
バケツやダンボール、もしくは透明の袋に入れて出してください。ただし、ゴミを減らすためにできるだけバケツやダンボールを使用してください。バケツやダンボールは回収後にその場所に置いて行かれます。
ペットボトルを排出する場合は、ラベルとキャップを外して、綺麗に洗ってください。ラベルとキャップは可燃ごみとして出してください。中身が残っていたり、汚れているペットボトルは排出できません。ソースや油類などで汚れているペットボトルは、可燃ごみとなります。
■白トレイ
白色トレイの収集は、2週間に1回あります。
白色トレイは綺麗に洗って、バケツやダンボールに入れて排出してください。用意できない場合は透明の袋に入れてください。
白色トレイの排出時は、重しをしたりひもで縛ったりして飛ばされない工夫をしてください。色付きの容器や、納豆やカップ麺などの容器・発泡スチロールは、白色トレイとしては排出できません。
粗大ごみは、他の家庭から出るゴミとは異なり、申し込み制となっています。 粗大ごみの回収を依頼する場合は、収集地区ごとに設けられている業者に電話で申し込みを行ってください。受付時間は午前8:30~午後5:00です。どの業者に申し込むのかは、あきる野市のホームページから確認できます。
収集業者に申し込む際は、収集日・金額の案内を受けてください。申し込みが完了したら、取扱店で粗大ごみ処理券を購入してください。取扱店の一覧もあきる野市のホームページから確認できます。処理券は200円・400円・600円・800円・1,000円・1,500円があり、粗大ごみそれぞれに設定されている料金に応じて支払う金額が変わります。処理券の返金や交換ができないため、申し込み時に金額確認してから購入しましょう。
購入した処理券はシール状になっており、名前を書いてから、粗大ごみに貼付してください。収集当日は朝8:00までに、戸建ての場合は玄関先や庭先など目につきやすいところに、集合住宅の場合は指定の集積場に置いてください。
事業活動から排出されるゴミは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で、排出事業者が責任を持って、事業所で適切に処理をするか、自治体から認可された処理業者に依頼すべきことが定められています。
また、事業活動から出される2種類の廃棄物「事業系一般廃棄物」「産業廃棄物」は、それぞれ適切な処理方法が異なります。ここからは、事業活動から出されるあきる野市のゴミ処理方法を紹介します。
事業系の一般廃棄物は、可燃ごみ・不燃ごみなど産業廃棄物以外の廃棄物を指します。家庭ゴミと同じ種類のゴミであっても、事業所から排出された廃棄物であれば、事業者が自らの責任で処理する必要があります。
あきる野市では、事業系一般廃棄物の収集運搬や処分を行う業者の認可を行っています。そのため、業者に依頼する場合は、収集運搬業者・処分業者がそれぞれあきる野市から許可を受けているのかを確認してください。
一方で廃棄物の排出が少ない事業者は、申し込みをすれば、あきる野市の収集に出すことができます。可燃ごみ・不燃ごみについては、有料の事業系指定収集袋で出してください。自宅兼事務所の場合は、家庭用有料ごみ袋で排出できる上限、可燃ごみ20リットルの中袋2個、不燃ごみは20リットルの中袋1個を超える廃棄物に対して、事業系有料袋を使用してください。
事業系有料ごみ袋(10枚1セット)
袋の色 | 小袋(15リットル) | 中袋(30リットル) | 大袋(45リットル) | 特大袋(70リットル) | |
---|---|---|---|---|---|
可燃ごみ | 薄黄色 | 600円 | - | 1,800円 | 2,800円 |
不燃ごみ | 青色 | 600円 | 1,200円 | - | - |
資源については、家庭ゴミと同量程度であれば市で無料回収を行っています。原則は市で回収されておらず。また1回の収集に出せる量が決められているため、大きなオフィスや店舗などでは資源回収業者などに依頼しましょう。有害ごみも資源と同様です。
産業廃棄物の処理は、あきる野市では行っていないため、認可業者に依頼する必要があります。 産業廃棄物とは、法令で定められた20種類の廃棄物を指します。産業廃棄物は、一般廃棄物の処理施設では処分ができないため、専門の業者へ委託しなければなりません。
産業廃棄物処理業者には、あきる野市ではなく、東京都が営業許可を出しているため、依頼時には東京都の許可があるのか確認してください。東京都の産業廃棄物処理業者は、収集運搬や中間処理など産業廃棄物の処分の流れに沿って、それぞれ異なる営業許可が出ています。許可証を確認する際は、許可された内容についても確認してください。
その他産業廃棄物の処理について、保管や分別の時点から管理方法の規制があり、業者との契約でも書面での契約締結やマニフェストの交付などが義務付けられています。正しく処分を行うためには、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」を正しく知ることが重要です。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律で定められた処理方法に違反する場合、懲役刑・罰金などの刑事処分・行政処分などが科せられます。法人の法律違反は、個人の罰則よりも重く設定されているものもあり、罰則によっては罰金の上限が3億円にものぼるものもあります。
不明な点は、「東京都環境局資源循環推進部産業廃棄物対策課審査担当」もしくは「東京都多摩環境事務所廃棄物対策課審査担当」に問い合わせを行いましょう。
今回は、あきる野市のゴミ出し事情から、家庭ゴミ・事業系ゴミの出し方まで、まとめて紹介しました。 あきる野市では、ゴミが減りつつありますが、これからもゴミの減量・CO2の削減を目指しています。あきる野市は、自然が豊かで、住環境が良いことが魅力です。 これからも住み良い住環境を保つために、行政・市民・事業者それぞれの努力が必要となります。
まずは、今回紹介した正しい分別・あきる野市のルールをしっかり守りましょう。
※当記事は公開当初の情報に基づき執筆しております。(最新の情報は行政HPをご確認ください。)
【東京都・23区内】
【東京都・23区外】