千代田区は、東京23区の中央に位置しており、区の中心には、皇居があります。区の約15%は、この皇居が占めています。
また、丸の内や有楽町、一ツ橋、秋葉原をはじめ、国会議事堂や各政党の本部がある永田町、官公庁の庁舎が集まる霞が関も千代田区にあります。江戸時代から徳川幕府が政治の中心としていたことからも、長年名実ともに首都機能としての役割を果たしてきたことがわかります。
今回は、どのエリアも日本に欠かせない機能をもった千代田区のゴミ事情から、家庭・事業系のゴミの出し方ルールをご紹介します。これから千代田区で生活をする方・引越しを予定されている方は、ぜひ参考にしてください。
千代田区では、ゴミの減量と資源のリサイクルを積極的に推進しています。平成27年の1.62万トンだった千代田区のゴミ収取量は、平成30年には約1.57万トンとなり、わずかな間でゴミの減量を実現しています。
まずは、このような成果を出している千代田区のゴミの減量・環境問題への取り組みの一部をご紹介します。
ゴミを作らない「リデュース」、モノを繰り返し使う「リユース」、モノ・資源の再生利用する「リサイクル」を意味する3Rは、循環型社会の実現には欠かせないキーワードです。千代田区でも、この3Rを実現するために様々な取り組みを行っています。
「ゆずります・ゆずってください」は、リデュース・リユースを身近なところで参加してもらうための、家庭の不用品を無料・有料でゆずりあう取り組みです。千代田区のホームページもしくはファックス、区の専用施設に備え付けられているはがきの送付によって、登録行えば、不用品をもらうこと・譲り受けることができます。反対に、譲ってほしい品物についても希望を出すことができます。
「リユース食器・分別ごみ容器の貸し出し」はお祭りやイベントの際に、リユース食器を貸し出す取り組みです。使い捨ての容器や食器が大量に使われやすいイベントごとで、環境問題を考えた「繰り返し使える食器」とゴミの散乱防止のための「分別用のゴミ容器」をレンタルすることができます。基本的には、非営利のイベント・お祭りに限って貸し出しが行われています。
「家庭用生ごみ処理機購入助成制度」は、機械式・手動の生ゴミ処理機の購入に対して、助成金が支給される制度です。助成金額は、上限を3万円とし、購入金額に2/3を乗じた額が支給されます。購入した際の領収書・機械の保証書の写し・千代田区の在住であることの証明書類の3つを揃えて、役所窓口に提出しましょう。
続いては、千代田区の家庭から出るゴミ・資源の分け方・出し方のルールについて、ご紹介します。千代田区では回収しているゴミ・資源は、主に燃やすごみ・燃やさないごみ・蛍光管等・資源・プラスチック・粗大ゴミです。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
多くの市区町村で、排出時間が一律で決められていますが、千代田区では、ゴミや資源もしくは地域によって排出時間が異なります。燃やすごみの排出時間に関しては、地域のごみの収集カレンダーで確認してください。その他のゴミ・資源の排出時間に関しては、下記表で紹介いたします。
■燃やすゴミ
燃やすごみは、週に2回の回収があります。地域によって指定された排出時間までに排出してください。
該当するゴミは、臭いや汚れの付いた紙・汚れの付いたプラスチック製品・生ゴミ・皮革類・落ち葉・剪定枝・カーテン・シーツ・写真・紙おむつなどです。
排出の際は、蓋つきの容器・中身の見える袋に入れてください。容器を使う場合は、収集後の容器を引き取る必要があります。
また、生ゴミに関しては、水切りを行うだけで、ゴミの減量につながります。そのため、生ゴミは水分を絞ってから排出しましょう。
■燃やさないごみ / 蛍光管等
燃やさないごみは、月に2回の回収があります。排出の際は、収集当日の朝10時までに集積場に出しましょう。
該当するゴミは、鍋・やかん・使い捨てカイロ・針金ハンガー・一斗缶・陶磁器・ガラス・電球・1辺が30センチメートル以内の小型家電製品・ハサミ・包丁などが該当します。
金属類など鋭利なゴミについては、紙などで包んだうえで「キケン」と表示して出してください。
蛍光管等は、燃やさないごみと同日、月2回の回収があります。排出時間は、お昼12:30分となっており、燃やさないごみの指定排出時間が異なるため注意が必要です。
蛍光管等には、蛍光管・電池・カセットボンベ・ライター類が該当します。カセットボンベ・ライター類は、中身を使い切ったうえで排出してください。穴を開ける必要はありません。
■資源
資源は、週に1回の回収があります。朝の8:30までに集積所に出しましょう。
資源には、新聞紙・雑誌・ダンボール・紙パック・びん・缶・ペットボトル・汚れていない紙類などが該当します。
古紙類は、それぞれ品目ごとに縛って排出してください。シュレッダー紙やお菓子の箱・トイレットぺーパーなどの汚れていない・臭いのない紙類は、中身の見える袋に入れるか、紙袋に入れて排出してください。
びん・缶は洗ったうえで集積所にある専用コンテナにそれぞれ入れてください。びんの蓋は、外し、燃やさないごみに出してください。
ペットボトルは洗ったうえで、ラベルとキャップを外し、集積所にある専用のネットに入れてください。できるだけ小さくするために、潰した状態で出しましょう。外したキャップとラベルは、プラスチックに出してください。
■プラスチック
プラスチックは、週に1回の回収があります。排出の際は、朝8:30までに集積所に出してください。
プラスチックには、袋類・パック類・ボトル類などのプラスチック製容器包装、弁当箱やCDケース・バケツ・レジャーシートなどのプラスチック製品が該当します。汚れた容器類やビデオテープ・カセットテープ・電気コード・注射器は回収の対象ではありません。
古布・廃食用油・乾電池・蛍光管については、ストックヤードで回収が行われています。ストックヤードは、区役所・区の出張所・リサイクルセンター・図書館などに設置されています。施設によって、回収品目が異なるため排出に出す際は注意が必要です。
粗大ゴミは、1辺が30センチメートル以上、長さが1.8メートル以下のゴミが対象です。粗大ゴミの回収・処分に関しては、その他のゴミと異なり、有料・予約制となっています。
回収の予約は、粗大ゴミの回収の窓口となっている「粗大ごみ受付センター」にネットか電話で行います。「粗大ごみ受付センター」では、粗大ゴミの品目一覧・処理に必要な手数料、回収のルールなどが提示されています。 処理に必要な手数料は、清掃事務所もしくはコンビニ・スーパーなどで「有料粗大ごみ処理券」を購入して支払います。この処理券は、粗大ゴミの品目ごとに設けられている手数料額と合致するように購入してください。処理券の購入後は、名前・集合住宅の部屋番号・収集日を記入し、回収に出す粗大ゴミに貼付して排出します。
排出時間は、朝の8時までです。粗大ゴミの排出場所は、一般ゴミ・資源の回収場所と異なる場合があり、戸建てでは玄関先や敷地の入り口、共同住宅は粗大ゴミ置き場や共有玄関前などが該当します。申込時に、排出場所についても、予約時に確認しておきましょう。
事業活動から排出される廃棄物に関しては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(=廃掃法)」によって排出事業者が責任を持って処理するか、自治体が認可した処理業者に処理の代行を依頼することが義務付けられています。 そのため、一般家庭から出されるゴミ・資源とは、処理方法が大きく違うため注意が必要です。小規模事業者であっても、自己処理の原則は適用されるため、必ず正しく廃掃法を理解することが重要となります。
事業活動によって排出される廃棄物は、「事業系一般廃棄物」「産業廃棄物」に大別されます。しかし、この2つは自己処理の前提は同じでも、依頼すべき業者や管轄自治体が異なります。事業活動で排出する廃棄物の種類によって、適切な処理を行いましょう。
事業系の一般廃棄物は、事業活動から出る生ゴミ・紙くず・資源などが該当します。この事業系一般廃棄物に関しては、千代田区が管轄しており、専門業者に委託する場合の認可も千代田区が行っています。処理の委託をする場合は、千代田区からの許可証を必ず認しましょう。
一方で、小規模事業者が排出する少量の事業系一般廃棄物は、千代田区が代行で回収・処理しています。1日に出る一般廃棄物が50キログラム未満であれば、千代田区の有料収集に出すことができます。有料であるため、排出時には「千代田区有料ごみ処理券」を購入し、ゴミ・資源に貼付してください。回収の対象は、燃やすごみ・燃やさないごみ・資源・プラスチックとなっています。 それぞれに、家庭から出る一般廃棄物と違い、細かく排出時のルールが決められているため、区の回収を利用する場合は詳細の確認を行いましょう。正しく排出されていなければ、回収されない可能性があります。
産業廃棄物は、事業活動から出る汚泥・廃酸・コンクリートくず・金属くずなど法と政令で定められた20種類の廃棄物が該当します。産業廃棄物は、保管から処理に至るまで、適切な扱いがされなければ人体や環境に悪影響を与える恐れがあるため、法律で厳しく取り扱い方法や業者への委託方法が定められています。
この産業廃棄物は、千代田区ではなく、東京都が管轄しており、産業廃棄物処理業者の認可も東京都が行っています。そのため、業者の選定時には、東京都が発行する許可証であるかを確認する必要があります。さらに、者の認可は、保管から収集・運搬、処理などの業務範囲によって分けて行われているため、委託する業者が委託する業務範囲の許可を受けているのかも確認しなければなりません。
また、委託時には契約書の作成や産業廃棄物管理票(マニュフェスト)の発行・保管なども義務付けられています。産業廃棄物は正しく処理しなければ、罰金刑・懲役刑もしくはその両方が科せられるため、必ず法律と定められたルールを把握し、法律を順守した処理・委託が必須となります。一般廃棄物とは異なり、千代田区や東京都の代行回収・処理もないため、排出事業者の責任ある処理が求められています。
今回は、減量が実現した千代田区のゴミの収集量実情から、家庭ゴミ・資源の分け方・出し方ルール、事業系ごみの処理概要についてまとめてご紹介してきました。短期間でもゴミ減量を実現した千代田区は、引き続きゴミの減量に向けて3Rを推進しています。 今後も、住み良い環境を維持するためには、区民・事業者・千代田区が積極的に取り組んで行くことが重要です。今回の記事を参考に、まずは正しいゴミ・資源の排出ルールを守っていきましょう。
※当記事は公開当初の情報に基づき執筆しております。(最新の情報は行政HPをご確認ください。)
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