清瀬市は、東京都の多摩地区北東部に位置しており、北は埼玉県の新座市と所沢市に接しています。近年再開発されたことから、駅周辺には高層マンションや大型複合施設、商店街などが並びます。池袋駅には約30分、新宿駅・渋谷駅には約40分、東京駅・品川駅にも50分~1時間で行くことができます。
今回は、清瀬市で暮らすうえで欠かせないゴミの分別・排出方法について紹介します。これから転居する人や、事業を始める人は、ゴミの処理方法を正しく知っておきましょう。
2018年度の廃棄物収集量は、約1.8万トンでした。清瀬市はゴミの減量に努めていますが、ここ数年大きく排出量に変化はありません。2017年の1人1日あたりのゴミの排出量は419グラムでしたが、清瀬市ではこの数字を2021年までに399グラムにする目標を立てています。
そのため清瀬市では、下記のような取り組みが行われています。
生ごみは、清瀬市の可燃ごみのうち16%を占めており、1人1日あたり72グラム排出されています。多摩地区全体の26%と比較するとかなり低い割合ですが、生ごみは減量しやすいため、清瀬市ではさらなる減量を目指しています。
生ごみは、80%が水分です。2014年の清瀬市の生ごみ排出量は、約1,951トンありましたが、そのうち生ごみ量は約390トン、水分量は1,561トンでした。このことから分かるように、水分を十分に絞ることで、生ごみを減らすことができます。
また、清瀬市では、生ごみ処理機器の助成を行っています。助成金額は、本体価格の2分1、上限3万円です。生ごみ処理機器は、生ごみを乾燥させたり、たい肥にしたりできる機能を持っています。制度を利用したい場合は、ごみ減量推進課ごみ減量推進係の窓口に、購入から2ヶ月以内に申請してください。
清瀬市では、燃やせるごみ・燃やせないごみ・容器包装プラスチック類に指定の収集袋を設けています。特に減量させたい廃棄物に指定収集袋を導入することで、無料で排出できる資源が正しく分別されるようになります。
指定収集袋は、市内の指定収集袋等取扱店で販売されています。ミニ袋は20枚で1セット、そのほかの袋は10枚1セットになっています。
色 | ミニ袋 (5リットル) |
小袋 (10リットル) |
中袋 (20リットル) |
大袋 (40リットル) |
|
---|---|---|---|---|---|
燃やせるごみ | 緑色 | 140円 | 100円 | 200円 | 400円 |
燃やせないごみ | ベージュ色 | ||||
容器包装プラスチック | 青色 |
それでは、清瀬市から出される廃棄物の分別・排出方法を紹介します。 清瀬市では、ごみ分別マニュアル・資源物地区別収集表が配布されているため、確認しましょう。日本語のほかに、英語・中国語・韓国語版も作成されています。
家庭から出るゴミ・資源は、朝8:30までに集積所へ出してください。指定収集袋がある廃棄物をレジ袋など自身で用意した袋に入れても、回収されないため注意が必要です。
■燃やせるごみ
燃やせるごみは、週に2回収集があります。
燃やせるごみとして排出できるのは、生ごみ・紙くず・少量の枯れ葉や草・ティッシュ・感熱紙・カーボン紙・シュレッダーごみ・油紙・臭いや汚れがついた紙・絆創膏・生理用品・包帯などです。
指定収集袋に入れて排出してください。生ごみは、水気を絞ってください。ただし、おむつに関しては、透明もしくは半透明の袋に入れて出すことができます。排出の際は、「おむつ」と表記してください。
■燃やせないごみ
燃やせないごみは、月に2~3回収集されます。
燃やせないごみとして排出できるのは、ガラス類・陶磁器類・金属類・化粧びん・小型家電・皮革製品・靴・洗面器・カセットテープ・傘・ライター・カセットボンベ・スプレー缶などです。指定収集袋に入れて排出してください。ただし、ライター・カセットボンベ・スプレー缶は中身を空にしてから、指定袋ではなく透明もしくは半透明の袋に入れて、「き」と記載してください。中身が残っている場合は、ごみ減量推進課に持ち込んでください。
■容器包装プラスチック
容器包装プラスチックは、週に1回収集があります。
容器包装プラスチックとして排出できるのは、洗剤やシャンプーの容器・詰め替え用の袋・食品トレイ・ペットボトルのラベルやキャップ・カップ麺の容器・お菓子の袋・発泡スチロール・緩衝材などプラマークがついたプラスチックです。
指定収集袋に入れて排出してください。汚れの落とせないものは、燃やせるごみとして出してください。シャンプーや洗剤など中身が入っていた容器は、中身を空にして水で洗ってください。
■びん・かん
びん・かんは、週に1回収集があります。
びん・かんはいずれも、飲食用のものが収集対象です。化粧や農薬のびん・窓ガラス・カップ・汚れの落ちないびん・一斗缶・スプレー缶・汚れの落ちない缶などは収集されません。
びん・かんは、収集日前日に資源集積所に専用のカゴが設置されます。当日の朝それぞれのカゴに、びん・かんを入れてください。びんの収集カゴは緑色、かんの収集カゴはオレンジ色です。
びん・かんは、それぞれ中を洗ってから排出してください。フタやキャップは取り除いてください。
■古紙・古布
古紙・古布は、週に1回収集があります。
古紙・古布として排出できるのは、新聞・ダンボール・雑誌・雑紙・本・菓子箱・古布です。
古紙類を排出する際は、品目ごとに縛って排出してください。古布は、透明もしくは半透明の袋に入れてください。また、雨に濡れるとカビの原因となるため、できるだけ雨の日は出さないでください。
■ペットボトル
ペットボトルとして収集できるのは、飲料用のほかに、醤油・料理酒・みりんなどの調味料のボトルです。PETマークがついているもののみが収集の対象となります。食用油や洗剤などのボトルは収集されません。
排出する際は、資源集積所に常設してあるペットボトル置き場に入れてください。入れる時は、軽く洗って乾かし、キャップとラベルを外したうえで、つぶしてください。
レジ袋など、袋に入れる必要はありません。
■牛乳パック
牛乳パックは、市の公共施設や小学校・スーパーマーケットに常設してある収集容器に入れてください。
排出する際は、洗って切り開いてください。
■使用済み小型家電
使用済み小型家電は、市役所や市民センターなど15カ所に設置してある「使用済み小型家電回収ボックス」に投入してください。
使用済み小型家電には、ヘアドライヤー・電卓・電動歯ブラシ・電子体温計・携帯電話・デジカメ・イヤホン・リモコンなどが該当します。
個人情報が入ったSDカードは、必ず取り外してから排出してください。
■有害ごみ
有害ごみは、市内に設置してある有害ごみボックスに投入してください。
有害ごみとして排出できるのは、乾電池・蛍光灯・水銀体温計などです。乾電池類は、赤色の有害ボックスに入れてください。蛍光管・体温計は、黄色の有害ボックスに入れてください。
水銀は人体に大きな悪影響を起こすため、破損した場合はすぐにエアコンを停止し、ほかの人やペットは部屋から出します。家中に広がらないように、ドアは閉めてください。屋外に通じる窓やドアを開けて、10分程度換気しましょう。掃除はゴム手袋をつけて行ってください。
■せん定枝
せん定枝は、週に1回収集されます。
長さ50センチメートル・太さ10センチメートル・直径30センチメートル以下にして、ペットボトル置き場の横に置いてください。
■落ち葉
落ち葉は、11月・12月に週1回収集されます。ほかの月は、燃やせるごみとして排出してください。
排出する際は、ボランティア袋を受け取り、名前や団体名を記載してから、ペットボトル置き場の横に置いてください。ボランティア袋の交付は、ごみ減量推進課・市民課・各地域市民センター・消費生活センターに申請しましょう。
清瀬市の粗大ごみは、1辺が30センチメートル以上の家具類・家電製品など大型の廃棄物を指します。 主に、タンス・テーブル・椅子・本棚・空気清浄機・炊飯器・スピーカー・自転車・ストーブ・ガス台などが該当します。テレビ・冷蔵庫・エアコン・パソコン・モニターなどは、家電リサイクル法でリサイクルが義務付けられているため、粗大ごみとしては排出できません。
清瀬市の粗大ごみは、有料申込制です。排出したい場合は、ごみ減量推進課ごみ減量推進係に電話または電子申請に申し込んでください。収集日・時間は、市から指定されるため、申込者の希望では決められません。受付が終わったら、粗大ごみ処理券を販売取扱店などで購入し、申込日・氏名を記入してから、粗大ごみに貼りつけてください。収集当日は、朝8:30までに、申込時に確認した排出場所に置いてください。
また、粗大ごみをごみ減量推進課に直接持ち込むことも可能です。持ち込む際は、平日の午前9:00~午後12:00、日曜日の午前9:00~午後4:00まで受け付けています。持ち込む前に、電話でごみ減量推進課に粗大ごみの品目等を伝えて、料金を確認したうえで粗大ごみ処理券を購入しておいてください。
続いては、清瀬市の事業者が排出するゴミの処理方法を紹介します。
事業活動によって排出される廃棄物は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)」によって、排出事業者が自らの責任を持って適正に処理することが義務付けられています。これは、排出事業者責任と呼ばれています。 適正処理を行うためには、法律に沿って自ら処理するもしくは、管轄自治体から許可を受けた専門の業者に処理を委託しなければなりません。
また、事業活動から排出される廃棄物は、「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2種類があります。それぞれ処理方法が異なるため、順を追って確認しましょう。
事業系一般廃棄物は、廃掃法によって定められた産業廃棄物以外の廃棄物を指します。家庭から排出される廃棄物と同種であっても、排出事業者責任によって事業者が責任を持って適正処理する必要があります。そのため、多くの事業者が清瀬市から許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者に収集・処分を委託します。市の許可を受けていない一般廃棄物収集運搬業者に委託したり、適切な委託ができなかったりした場合、懲役刑や罰金刑が科されます。清瀬市の公式ホームページで、清瀬市一般廃棄物収集運搬業許可一覧が確認できるため、必ず確認してから委託してください。
一方で、排出する廃棄物が少量の場合は、清瀬市に有料で収集を委託することができます。市の収集に出したい場合は、排出量が1日40リットル未満・事業系ごみ用指定収集袋2袋まで・可燃ごみもしくは容器包装プラスチック限定など制限をクリアする必要があります。 詳細は、ごみ減量推進課ごみ減量推進係に問い合わせてみましょう。
事業系ごみ用指定収集袋 | 枚数 | 容量 | 価格 |
---|---|---|---|
可燃ごみ | 10枚 | 40リットル | 3,000円 |
容器包装プラスチック |
産業廃棄物は、法令で定めた燃えがら・汚泥・がれき類・金属くずなど20種類の廃棄物を指します。さらに、人体や環境に有害であるもの、危険性が高いものは、特別管理産業廃棄物に分類されます。いずれの産業廃棄物も、一般廃棄物の処理業者・処理施設では扱えません。
また、産業廃棄物は清瀬市ではなく、東京都環境局の管轄です。少量の排出でも、東京都による収集はないため、東京都が許可を出した産業廃棄物処理業者に処理を委託しなければなりません。
産業廃棄物処理業者は、許可を営業範囲ごとに「積替え保管を除く/含む収集運搬業者」「中間処理業者」「専門性(感染性廃物)業者」に分かれます。さらに、業務を行う許可は産業廃棄物の種類ごとにも出されています。そのため、産業廃棄物処理業者に委託を行う場合は、委託する産業廃棄物の種類や業務範囲など、許可内容を許可証で必ず確認してください。許可の期限にも注目しましょう。
また、産業廃棄物を委託する場合は、産業廃棄物の種類・運搬業者の名前・処分業者の名前・取扱い上の注意事項などを記載したマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付する義務があります。産業廃棄物の処理に関しては、このほかにも数多くの法的なルールが存在するため、廃掃法を詳しく把握する必要があります。
産業廃棄物のことで疑問がある場合は、東京都環境局資源循環推進部産業廃棄物対策課に相談しましょう。
今回は、清瀬市のゴミ処理事情から、家庭・事業所から排出された廃棄物の処理方法を紹介しました。清瀬市は、住みやすい環境が人気で、市も住民もゴミの減量に努めているため、ほかの自治体で排出量の多い生ごみの排出量が少ない傾向を持っています。これから転居する人や転入した人、事業を始めたい人は、引き続きゴミが減らせるよう排出ルールをしっかり守りましょう。また、産業廃棄物の管轄は東京都なので、産業廃棄物を排出する事業者は注意が必要です。
※当記事は公開当初の情報に基づき執筆しております。(最新の情報は行政HPをご確認ください。)
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