三鷹市は、東京都のほぼ中心、多摩地域の東に位置しています。 多くの作家が居を構えた地として有名で、文豪ゆかりの地も多く存在しています。市内には多数の公園や緑地があり、現在は都市と自然が共存する公園都市として人気があります。
住み良い環境が整った三鷹市に、これから転入する人や住み始めたばかりの人も多いでしょう。当記事では、三鷹市で暮らすのに欠かせないゴミ・資源の分別・出し方のルールをご紹介します。事業活動から出る廃棄物の処理方法も記載しているため、事業者の方も三鷹市のルールを確認しておきましょう。
まずは、三鷹市のゴミ排出事情と、ゴミの減量に向けた取り組みについてご紹介します。海洋プラスチック問題や温室効果ガス、最終埋め立て地の不足など、廃棄物を取り巻く問題は年々増え続けています。地球規模での取り組みに対し、積極的な参加が必須となっているこの時代に、三鷹市でも問題解決へとつながるゴミの減量に取り組んでいます。
平成21年の三鷹市の廃棄物総収集量は、2.24万トンでした。この時の1人あたりの1日のゴミ排出量は、784グラムです。その後、三鷹市ではゴミの減量やリサイクルの取り組みを続け、平成30年には廃棄物の総収集量が1.88万と大きく減少しました。1人あたりの1日のゴミ排出量も、692グラムとしっかりと成果を上げています。 減少した廃棄物のなかでも、特に燃やせるごみと燃やせないごみが顕著に減少傾向にあり、資源化率は高い水準を維持しています。
大きな成果を上げている三鷹市では、以下のような取り組みを行っています。
ゴミの処理時に発生するCO2の削減など、環境を保全するために、三鷹市では平成21年10月よりゴミ袋を有料化しました。平成20年の会議においてゴミ袋を有料化する条約改正が可決され、一層環境問題に対して積極的に取り組む姿勢が決定されました。
三鷹市の指定収集袋は、燃やせるごみ・燃やせないごみの2種類に設定されています。燃やせるごみ・燃やせないごみは、排出される廃棄物のなかでも特に大きな割合を占めており、ゴミ袋を有料化することでゴミの別による資源化や廃棄物自体の減量が期待できます。
指定収集袋は、サトウキビの廃糖蜜を利用した、植物由来ポリエチレン原料が25%配合されており、袋自体もリサイクル製品です。 指定収集袋は、下記の価格で販売されているため、必ず事前購入しておきましょう。市内のコンビニやスーパー・商店をはじめ、周辺の市区町村でも購入できるよう整備されています。 指定収集袋は、10枚1セットで販売されています。それぞれ藤色をしているので、他の市区町村の収集袋と混じらないよう注意してください。
容量 | 値段(10枚1セット) | |
---|---|---|
L袋 | 40リットル | 750円 |
M袋 | 20リットル | 370円 |
S袋 | 10リットル | 180円 |
ミニ袋 | 5リットル | 90円 |
3Rは、ゴミ問題を考えるうえで欠かせないキーワードです。1つ目のRは、ゴミの発生を抑制し、ゴミを減らしていくリデュース。2つ目のRは、使える物を繰り返し使うリユース。3つ目のRは、ゴミを資源として再利用すリサイクを意味します。 この3つのRにそれぞれ取り組むことによって全体のゴミ排出量が削減されます。
三鷹市では、10月を3R推進月間として、通常時以上に意識的な取り組みを促しています。
例えば、3Rの「リデュース」に貢献するマイバッグ持参のキャンペーン実施です。ボランティアをつのり、マイバッグ持参の啓発ポケットティッシュを配ることで、広い年齢層にポリ袋の削減を働きかけることができています。
それでは、三鷹市の家庭ゴミ・資源の分別・排出ルールを紹介していきます。燃やせるごみ・燃やせないごみは、それぞれ指定収集袋に入れてください。ゴミ・資源はしっかり分別されていなければ回収してもらえない可能性もあります。 正しい分別を行えるよう、市が配布するパンフレットや三鷹市ホームページにあるゴミ分別表(50音順)・ゴミ分別アプリでゴミの分類を確認します。
各ゴミ・資源は、収集日当日の朝8時までに家の前の道路端・指定のゴミ集積所に出してください。分別・排出ルールは自治体によって異なるため、三鷹市周辺からの転入であっても、必ず三鷹市のルールを確認してください。
■燃やせるごみ
燃やせるごみは週に2回の回収があります。1回に出せる量は、指定収集袋40リットルが3袋、その他のゴミは45リットルまでです。
燃やせるごみには、生ゴミ・資源にならない紙や布・乾燥剤・使い捨てカイロ・ゴム製品・皮革製品・汚れがとれないプラスチックが該当します。
燃やせるごみは指定収集袋を購入しての排出が必要ですが、紙おむつ・草・落ち葉・せん定枝は無料で排出できます。せん定枝は、紐で縛って出してください。その他は、透明・半透明の袋に入れて出してください。
指定収集袋に入らない、座布団・ござ・木の板などは廃棄物に指定収集袋を指定枚数貼って出してください。指定収集袋が足りない場合や、排出可能な量を超える場合は、粗大ごみに出す必要があります。
■燃やせないごみ
燃やせないごみは、月に2回の回収があります。1回に排出できる量は、指定収集袋40リットルが3袋、その他のゴミは45リットルまでです。
燃やせないごみは、ガラス製品・金属類・陶磁器・鏡・小型家電・ぬいぐるみ・電球・ビニール傘・バケツ・ビデオ・プラスチックと金属の複合製品などが該当します。燃やせないごみは、指定収集袋に入れて出す必要があります。
ただし、傘などの長い廃棄物や2畳以下の絨毯などは、指定枚数の指定収集袋を貼付して排出してください。
■プラスチック類
プラスチック類は、週に1回の回収があります。排出は無料です。
プラスチック類には、プラマークのあるプラスチック・発泡トレーなどの発泡スチロール・ペットボトルのキャップ・卵のパック・レジ袋・フィルム・CD・DVD・ラップなどが該当します。
食用のプラスチック製品も対象となっていますが、汚れを落としてから排出してください。汚れの取れないものは、燃やせるごみとして出す必要があります。
■空きびん
空きびん・空き缶は、月に2回の回収があります。排出は無料です。排出時には、基本的に容器・かごに入れてください。もしくは透明・半透明の袋を2重した状態でも回収してもらえます。
また、運搬時にびんが割れないようにするため、空きびん・空き缶を分けて排出する必要はありません。
空きびん・空き缶には、飲食びん・食用のびん・飲料缶・食用のかんが該当あします。排出時には、中を綺麗に洗ってください。汚れが取れない場合は、燃やせないごみとしての排出が必要です。
■古紙
古紙は、週に1回の回収があります。排出は無料です。
古紙には、新聞・雑誌・段ボール・雑紙などが該当します。ただし、防水加工された紙コップや紙皿・着圧はがき・インクジェット写真・感熱紙・に良いや汚れが付いた紙・アルミ箔などが付いた複合素材の紙などは回収の対象外です。これらは、燃やせるごみとして排出してください。
■古着
古着は、週に1回の回収があります。排出は、無料です。排出時には、透明・半透明の袋に入れて「古着」と表示してください。
古着には、着用可能な衣類・肌着毛布・シーツ・タオルケット・きれいなカーテンなどが該当します。汚れているものや、破れているものは回収の対象外です。これらは燃やせるごみとして排出してください。布団は、粗大ごみに該当します。
さらに古着は濡れてしまうと、カビが生えてしまうため、リサイクルできなくなります。そのため、回収日が雨の日は、排出しないようにしてください。
■有害ごみ
有害ごみは、週に1回の回収があります。回収日は、プラスチック類と同日に設定されています。排出時は、プラスチック類とは分けて、容器か透明・半透明の袋いずれかに入れて、「有害ごみ」と表記してください。
有害ごみには、スプレー缶・エアゾール缶・カセットボンベ・使い捨てライター・蛍光管・乾電池・水銀を含む体温計・モバイルバッテリー・電子タバコなどが該当します。
スプレー缶・エアゾール缶・カセットボンベ・使い捨てライターについては、火災をふせぐために中身を必ず使い切ってから排出してください。危険を伴うため、穴は開けないでください。
蛍光管などは、買い替え時に買ってきた箱に入れて排出もできます。
■ペットボトル
ペットボトルは、月に2回の回収があります。排出は無料です。
ペットボトルには、PETマークのある飲料用・酒類用・しょうゆもしくは食用油脂を含まない調味料用のボトル容器容器が該当します。
出すときは、キャップとラベルと外し、中身を綺麗にすすいでください。その後軽く潰したうえで、容器か透明・半透明の袋に入れて出してください。汚れたペットボトルは、回収できないため、燃やせるゴミとして排出してください。
■ペットボトル・紙パック
ペットボトル・紙パックは、拠点回収が行われています。三鷹市の市役所や図書館・コミュニティセンターなどの公共施設に回収ボックスが設定されています。
ペットボトルは、すすいだうえで、キャップを外し、潰して排出しましょう。紙パックは、すすいだ後乾燥させて、切り開いた状態でボックスに入れてください。
三鷹市が回収している粗大ごみは、1辺が30センチメートル以上の家電製品・1辺が40センチメートル以上の家電以外の製品・80センチメートル以上の棒状製品のことを指します。家電も回収対象ですが、法律でリサイクルが定められているテレビ・エアコン・洗濯機・パソコン・ディスプレイなどは粗大ごみ回収に出すことができません。また、ガスボンベ・タイヤ・バイクなども粗大ごみの対象外です。
三鷹市の粗大ごみ回収は、他の市区町村と同様に有料・予約制です。回収予約は、「三鷹市粗大ごみ受付センター」に電話するか、インターネット予約を利用するかのいずれかで行うことができます。 電話での受付は、月曜日から土曜日の午前8時から午後7時までです。インターネットでは24時間受付されています。
排出する粗大ごみの処理手数料は、粗大ごみの種類ごとに設定されているポイントによって決まります。複数排出する場合は、ポイントが合計されて手数料が決定されます。 設定されているポイントは、三鷹市のホームページにある「粗大ごみポイント表」から確認できます。
排出する粗大ごの合計ポイント | 手数料 |
---|---|
1~10ポイント | 1,000円 |
11~15ポイント | 1,500円 |
16~20ポイント | 2,000円 |
21~25ポイント | 2,500円 |
26~30ポイント | 3,000円 |
続いては、事業活動から排出される廃棄物の処理方法を紹介します。事業活動から出る廃棄物は、家庭ゴミと違って、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」によって、事業者自らの責任で適正に処理することが定められています。 事業系廃棄物は、「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」に大別できます。いずれも、会社や工場、公共施設などから出る廃棄物を指しますが、それぞれ管轄と処理時の注意点が異なるため注意が必要です。
事業系一般廃棄物廃棄物は、生ゴミや紙ゴミなど産業廃棄物に指定されている廃棄物以外の廃棄物が該当します。家庭ゴミと同類のゴミでも、生活系のゴミには出せません。 事業系の一般廃棄物を処理する場合は、排出事業者自らの責任において、三鷹市が許可している一般廃棄物処理業者に処理を依頼しましょう。認可を受けていない業者に依頼することは、法律で禁じられているため、三鷹市のホームページにある認可業者一覧から、依頼先を探しましょう。
ただし、少量の一般廃棄物を出す場合には、少量排出事業所として登録することで、三鷹市に処理を依頼することができます。回収の対象は、可燃ごみ・不燃ごみ・空きびん・空き缶・プラスチック類・ペットボトル・古紙・ダンボール・シュレッダー紙に限られます。さらに、1日平均10キログラムの事業者であることを大前提に、少量排出事業所として登録するには6つの条件があります。排出する廃棄物の量にも制限があるため注意が必要です。
産業廃棄物とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律で定めた20種類の廃棄物です。保管・運搬や処分について専門的な知識と設備を必要とし、法にのっとった適正な処理が厳格に求められています。産業廃棄物は都道府県単位で管轄されており、産業廃棄物を処理できる業者の認可は東京都が行っています。
産業廃棄物の処理依頼を行う際は、東京都からの認可を受けているか、依頼する業務内容の認可を受けているか、処理基準に従って適正に処理できる設備があるかなど、確認すべき点は多数あります。さらに、委託時の契約書や、処理のフローや詳細を記録しておく産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付も必須です。
まずは廃棄物の処理及び清掃に関する法律における産業廃棄物の保管・処理基準を確認し、正しい知識を入手しましょう。東京都でも相談窓口を設けているため、東京都環境局の産業廃棄物に関する窓口一覧から質問したい内容の相談先を選びましょう。
今回は、三鷹市のゴミ排出事情を始め、家庭ゴミ・事業系ゴミの分別・排出ルールを紹介しました。三鷹市では、廃棄物の総収集量はもちろん、1人あたりの収集量も着実に減少しています。これらの成果は、三鷹市・市民・事業者それぞれの努力があったこそです。今後も住み良い三鷹市を保っていくためには、ゴミ減量をさらに進め、正しい分別からの資源化率を上げていかなければなりません。 今回の内容を参考に、各家庭・事業者それぞれが適切な廃棄物の処理を行いましょう。
※当記事は公開当初の情報に基づき執筆しております。(最新の情報は行政HPをご確認ください。)
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