東京都大島町(以降、大島町)は、伊豆諸島の北に位置する伊豆大島の全域が町域の町です。周囲を海に囲まれ、豊かな自然が魅力です。島まではフェリー・飛行機でわたることができ、島内の移動には路線バスが使用できるため、約7,500人の人が生活しています。
今回は、この大島町で暮らしていくうえで必要な、ゴミ・資源の分け方・出し方についての情報をまとめてご紹介します。家庭ごみ・事業系ごみと分けて紹介するため、大島町で事業を行う予定の方もぜひ確認してください。
大島町の一般廃棄物処理は、千波環境美化センター・大島エコ・クリーンセンター・粗大ごみ処理場・大島リサイクルセンターで行われています。
処分場に収集された大島町のゴミは、2006年に4,193トン、2014年に3,830トンでした。その後大島町では、ゴミの減量や資源化を進めることで、2017年に3,686トンまでゴミの量を減少させました。大島町では、この排出量を2021年までに3,421トンにする目標を掲げています。
この目標を達成するために、大島町はゴミを減少させ、資源の再生利用率の向上を促しています。
大島町では、容器包装リサイクル法第8条に基づいて、2019年に第9期大島町分別収集計画を策定しました。
この第9期大島町分別収集計画では、容器包装プラスチックの3Rを進め、循環型社会を構築するために、さまざまな取り組みを行っています。ゴミを減量させるためには、日常生活と密接な関係にある容器包装プラスチックに対して、3Rを進めていくことが重要です。3Rとは、リデュース(ゴミの発生抑制)・リユース(再利用)・リサイクル(再生利用)のことで、ゴミの減量・資源化には欠かせない取り組みです。
大島町では、学校や地域で環境教育・ゴミ減量の啓蒙活動を行い、町民・事業者に対してゴミの排出量や、処理費用を認識してもらい、ゴミ減量の重要性を周知しています。また、2020年7月から始まるレジ袋の有料義務化に先駆けて、事業者へのレジ袋の有料化を促しています。同様に、町民に対しては買い物袋の徹底を周知しています。
それでは、大島町の家庭から排出される一般廃棄物の処理方法を紹介します。
大島町では市の収集がある「燃やせるごみ・資源ごみ」と、施設に直接持ち込みが必要な「粗大ごみ・リサイクル対象品」に分けられます。それぞれ処理方法が異なるため、ごみ・資源の分け方は正しく把握しなければなりません。
排出方法を間違うと収集してもらえない場合や、警告シールが貼られる可能性があるため注意しましょう。
大島町の家庭から出る粗大ごみ以外の一般廃棄物を収集に出す場合は、指定ごみ袋を使用もしくは指定シールを添付しなければなりません。そのほか、各ゴミ・資源が処理できる市の施設に持ち込むことも可能ですが、この場合は指定ごみ袋・指定シールを使用するか、10キログラムあたり100円の処理手数料を支払う必要があります。
燃やせるごみ | 燃やせるごみの収集は、週に2回あります。 燃やせるごみに該当するのは、生ごみ・衣類・紙類・段ボール・雑誌・新聞紙・プラスチックなどが該当します。 排出場所は、各地域で定められた指定ごみ収集場所です。排出時には、燃やせるごみ専用の指定袋に入れたうえでポリバケツに入れるか、二重以上に重ねた段ボール箱に入れて指定ごみシールを貼ってください。ただし、段ボールの大きさは3辺が110センチメートル以内です。 また、45リットル以内の指定袋2つ、または70リットルの指定袋1つまでと決まっています。また、千波環境美化センターに直接持ち込むこともできます。 |
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金属 | 資源ごみの金属の収集は、2週間に1回あります。 金属には、炊飯器・電話機・トースター・飲料用以外の缶・スプレー缶・一斗缶・ガスボンベ・鍋・アルミ小物などが該当します。 排出の際は、資源ごみ専用の指定収集袋に入れて、指定の収集場所に出してください。刃物など袋を破ってしまう可能性がある場合は、段ボールに入れて排出シールを貼って出すことも可能です。スプレー缶やガスボンベを収集に出す場合は、必ず中身を使い切ってください。 金属の排出にも、45リットル以内の指定袋2つ、70リットルの指定袋1つまでの制限があります。 また、粗大ごみ処理場に有料で持ち込むこともできます。 |
ビン・ガラス・瀬戸物 | 資源ごみのビン・ガラス・瀬戸物の収集は、2週間に1回あります。 飲料用のビン・グラスなどのガラス・お茶碗やコップなどの瀬戸物などが収集の対象になります。 資源ごみ専用の指定袋に入れる、もしくは割れているものなど袋が破ける可能性がある場合は段ボールに入れて、指定の収集場所に出してください。中が汚れているビンは、すすいでから排出してください。 排出には、45リットル以内の指定袋2つ、70リットルの指定袋1つまでの制限があります。ビン・ガラス・瀬戸物を処分する際は、北部集積所もしくは南部集積所に有料で持ち込むことも可能です。 |
空き缶 | 資源ごみの空き缶の収集は、2週間に1回あります。 収集の対象は、飲料用のもののみです。 資源ごみ専用の指定収集袋に入れるか、段ボールに入れて指定シールを貼って指定の収集場所に出してください。中身を水で洗ってから排出してください。 空き缶の排出も、45リットル以内の指定袋2つ、70リットルの指定袋1つまでの制限があります。空き缶を北部集積所や南部集積所に、有料で直接持ち込むことも可能です。 |
ペットボトル | 資源ごみのペットボトルの収集は、2週間に1回あります。 ペットボトルには、飲料用・酒類・調味料などのボトルが該当します。 排出の際は、資源ごみ専用の指定収集袋に入れて、指定の収集場所においてください。また、キャップ・ラベルを取って、中をすすいで出してください。 ペットボトルも、45リットル以内の指定袋2つ、70リットルの指定袋1つまでの排出制限があります。北部集積所・南部集積所に、ペットボトルを有料で持ち込むこともできます。 |
発泡スチロール | 資源ごみの発泡スチロールの収集は、2週間に1回あります。 発泡スチロールとして排出できるのは、包装材の発泡スチロールのほかに、発泡素材のトレイ・カップラーメンのカップなども該当します。 資源ごみ専用の指定収集袋に入れて、指定の収集場所に排出してください。食品が入っていた発泡スチロールは、水できれいに洗ってから排出してください。 発泡スチロールの排出も、45リットル以内の指定袋2つ、70リットルの指定袋1つまでの制限があります。北部集積所・南部集積所に、有料で直接持ち込むこともできます。 |
乾電池・蛍光管等
(有害ごみ) |
資源ごみの乾電池・蛍光管等は、家庭量販店や市の出張所や文化会館などに設置されている回収箱で収集されています。市の収集がないため、回収箱がある施設まで持ち込む必要があります。対象となるのは、乾電池・電球・蛍光灯・使い捨てライター・体温計・温度計・水銀入りの血圧計などです。 回収に出す場合は、資源・有害ごみ専用の指定収集袋を使用してください。使い捨てライターは、ガスをすべて抜いてから排出してください。乾電池・蛍光灯・使い捨てライターは、分けて排出しましょう。 |
大島町では粗大ごみ・リサイクル対象品の処理をする場合、指定の施設への持ち込みが必要です。
一般的に、粗大ごみとは、市の指定収集袋に入らない大型の廃棄物のことを指します。例えば、タンス・ベッド・ガスコンロ・テレビ台・ヒーター・自転車・ソファー・オルガンなどです。東京都では、粗大ごみは有料申込制で回収がある自治体も多いですが、大島町では持ち込みが必要となるため、他の市区町村から引っ越してきた人は注意しましょう。
さらに、一般的に粗大ごみと一括りにされる廃棄物ですが、大島町では品目によって持ち込む施設が異なります。例えば、タンスなら千波環境美化センターまたは大島リサイクルセンターへ、自転車は粗大ごみ処理場へ、オルガンは大島リサイクルセンターへと決まっています。持ち込んだ際は、粗大ごみの重量によって、処理手数料の支払いが必要です。
粗大ごみを排出する場合は、大島町の公式ホームページに掲載されている「大島町分別表」を参考に、どこに持ち込む必要があるのか確認してください。
リサイクル対象品とは、法律でリサイクルが義務付けられているエアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫です。これらのリサイクル対象品はどの自治体でも収集されておらず、家電製品販売店の下取りに出したり、リサイクル業者に処理の依頼したりしなければなりません。大島町では粗大ごみ処理場に持ち込むことで処理してもらえます。持ち込む際は、郵便局でリサイクル料金を支払って、リサイクル券を取得し、そのリサイクル券と粗大ごみを一緒に粗大ごみ処理場に搬入してください。
大島町で事業を営む予定がある場合は、ゴミの処理方法が家庭とは異なるため正しい処理方法を確認しましょう。
事業活動によって発生した廃棄物は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称は:廃掃法・廃棄物処理法)」によって、排出事業者が責任をもって適正処理することが定められています。適正な処理には自己処理も含まれますが、自社でゴミの処理施設を完備している事業者は少ないため、一般的に自治体が許可を出した認可業者に処理を委託することになります。
事業活動とは、オフィス・事務所・工場・ホテル・飲食店など一般的な民間企業の業務、学校・公民館・役所などの公的施設での業務や活動、NPO法人などの非営利組織の活動を指します。家庭以外の施設や業務で出たゴミは、事業系ごみとされています。
また、事業系ごみは、「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分けられます。種類によって処理方法が異なるため、それぞれ確認してみましょう。
事業系一般廃棄物とは、事業所から排出される産業廃棄物以外の燃えるゴミや資源ごみのことを指します。例えば、飲食店や事務所から出る生ごみ・ホテルで廃棄する空き缶・空きびんなどです。大島町で、事業系一般廃棄物を処理する場合、事業者自らが千波環境美化センターに持ち込む、または町が認可した収集運搬業者に処理を委託する必要があります。千波環境美化センターに持ち込む場合は、事業系登録を行い、1キログラムあたり4.5円の手数料の支払いが必要です。事業系登録は、水道管理課もしくは各出張所で手続きすることができます。
さらに、大島町では希望事業者に対して、有料の事業系一般廃棄物の代理収集も実施しています。市に収集・運搬してもらう場合は、大島町の指定収集袋もしくはシールを使用したうえで、1キログラムあたり12.2円の収集運搬手数料を支払う必要があります。
排出量が多いなど業者に委託処理してもらう場合は、大島町が指定している認可業者としか契約することができません。認可が下りていない業者と委託契約をすれば、場合によっては排出事業者が懲役刑・罰金刑などが科せられる可能性があります。
産業廃棄物は、がれき類・廃酸・燃えがらなどの法令で定めた20種類の廃棄物を指します。そのほか、特定有害産業廃棄物という爆発性や有毒性、人体や環境に悪影響を与える産業廃棄物も存在します。
東京都の産業廃棄物は、市町村区ではなく東京都が管轄しています。産業廃棄物の処理施設を持っている事業者・自治体は少ないため、産業廃棄物を処理する場合は、東京都が認可した産業廃棄物処理業者に委託する必要があります。
産業廃棄物処理業者は、産業廃棄物の処理の段階によって、主に「収集・運搬」「中間処理」で分けられます。また、医療施設などから出る感染性を持つ産業廃棄物に対応できる「専門性」をもった業者も別途認可されています。そのほか、産業廃棄物処理業者によって、扱える産業廃棄物の種類も異なります。許可証の期限も決まっているため、委託処理を行う場合際には、発注したい業務と許可証の内容に相違がないか確認しましょう。各年度の産業廃棄物処理業者の一覧は、東京都環境局の公式ホームページで確認できます。
産業廃棄物の処理については、他にも数多くの委託基準が設けられています。例えば、委託契約書の作成・マニフェスト(産業廃棄物管理表)の交付・委託所とマニフェスト保管などです。マニフェストや契約書の内容についても、記載内容や添付資料の規定が細かく決められています。廃棄物処理法や東京都が作成した「産業廃棄物適正処理ガイドブック」をよく確認してください。
今回は、東京都大島町の家庭ごみ・事業系ごみの適正処理について紹介しました。伊豆大島の美しい自然環境を守るため、大島町では燃えるゴミ・資源ごみ全てに指定収集袋が設定されています。場合によっては指定シールも活用しながら、適正処理に努めましょう。
また、事業系廃棄物を処理する場合は、家庭ごみとは別途、処理手数料を支払う必要があります。町内では、家庭ごみにまぎれさせて、事業系ごみを出している事業者も発覚しています。事業者が適正に廃棄物を処理しない場合は、収集されないだけでなく懲役・罰金が科される可能性もあるため、必ずルールに従って排出しましょう。
※当記事は公開当初の情報に基づき執筆しております。(最新の情報は行政HPをご確認ください。)
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