東京ならではの大都会としての顔と、古くからの下町としての顔の両方を持つ品川区。高層ビルや大型の工場・商業施設が立ち並ぶ地区もあれば、有名な戸越銀座商店街をはじめとする庶民的な商店街や、住宅や町工場が密集する地区もあり、先進的・歴史的な街並みが混合しています。 また、品川区は子育てがしやすい区としても子育て支援に力を入れており、若い世代の流入も増えています。 今回は、品川区の一般ゴミ・粗大ゴミ・事業系の産業廃棄物の処理について、実情からゴミ出しの注意点、適切なゴミ処理方法まで紹介していきます。 魅力あふれる品川区をきれいに保つためには、それぞれの区民・事業者が正しいゴミ処理に協力することが重要です。
品川区では、平成元年以降ゴミの排出量を減らしてきました。背景には、平成12年から清掃事業が東京都から区へ移管されたことがあり、以降、品川区は地域性に合わせたゴミの減量・資源化に取り組んでいます。 区の取り組みの成果もあり、品川区のゴミ処理は、平成元年から平成26年にかけて減少しました。しかし、平成元年から平成13年までは約37%のゴミが減少したにも関わらず、その後の減少は徐々に緩やかとなり、平成27年以降は少量の増減を繰り返しほぼ横ばい状態です。 平成29年時点では、年間約7.2万トンのゴミが、品川区内で回収されています。 資源の回収に関しては、平成25年まではリサイクル意識の高まりや、区による資源の回収品目が増やされたことから、区内の資源回収量は増化していました。しかし、資源についてもゴミ排出量と同様の現象が起こっており、平成26年から平成29年まで資源の回収量は少量ずつ減少が続いています。 平成29年時点では、年間約2.3万トンの資源が回収されました。 これは、品川区内の人口の増加や、インターネット通販による段ボールや紙ゴミの増加が関係しているとみられています。
品川区では、小学校や保育園などでの環境学習や、ゴミの減量やリサイクル・リユースの推進に関する出前講座を積極的に実施しています。 ゴミの発生抑制や分別を徹底できるよう、地域における排出・分別状況の報告やゴミの減量などを進めたり、リサイクルショップの支援やフリーマーケットの支援を行うことで、ゴミの処理に関する区民の関心が高まるよう努めています。
続いては、「一般ゴミ(一般廃棄物)」「産業廃棄物」「粗大ゴミ」の3つのゴミについて品川区のゴミ処理方法を紹介します。 一般廃棄物の分別や出し方については、地域毎に大きく違うため、品川区に新たに転入して来た方は特に注意が必要な項目となります。 また、産業廃棄物は法律で保管や処理が細かく定められており、粗大ゴミの処理も予約・有料となっているため、基本的な処理方法や回収の流れを確認おきましょう。
一般廃棄物とは、事業者から出されるもの以外のゴミを指し、一般的に家庭から出される一般ゴミです。 品川区では以下の3つに分けて回収が行われています。いずれも、区内の各地域に定められた曜日の朝8時までにゴミ出しを済ませておきましょう。
■燃やすごみ
プラスチック製品や容器・生ごみ・紙くず、ゴム製品などが「燃やすごみ」に該当し、中身の見える袋にまとめて出します。
■陶器・ガラス・金属ごみ
割れた陶器・ガラス・蛍光灯や使い捨てカイロ・カセットボンベ・ライターなどは、陶器・ガラス・金属ゴミに分類し、それぞれ違う中身が見える袋に入れて出します。
カセットボンベやスプレー缶を出す場合、必ずしも穴をあける必要はありませんが、中身が残っている場合には「中身入り」と書きましょう。
■資源
資源には、新聞や雑誌・段ボール・牛乳パックなどの紙製の資源や、缶・ビン・ペットボトル、乾電池などが該当します。これらは同種の資源同士を縛る、もしくは中身の見える袋に入れて出します。
割れていない蛍光灯、水銀の体温計・血圧計も資源に分類されています。出す際は箱に入れて出すようにしましょう。
事業者から出される産業廃棄物については、排出事業者自身が保管から処理まで行わなければならないことが、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で定められています。品川区でもこの法律に基づき、産業廃棄物の処理は行っていません。 法律に従い、適切な保管を行い、行政から許可を受けた業廃棄物処理業者へ回収・処理を依頼する必要があります。 産業廃棄物の処理・業者との契約では、契約書の保管期間や廃棄物の収集運搬・処理までの流れを産業廃棄物管理票として発行する義務があるなど、詳細が定められているため、ルールの詳細把握が重要となります。
粗大ゴミを出す場合は、「品川区粗大ごみ受付センター」にインターネットか電話で回収の申込みを行う必要があります。日曜日や年末年始の電話受付は行われていないため、この場合は24時間受付であるインターネットでの申込みがおすすめです。 粗大ゴミ回収の申込みが完了したら、ゴミ処理券(ゴミ処理の手数料として)を購入し、粗大ゴミ1つずつに貼付していきます。処理券は区内に約340店舗ある、指定の「品川区ごみ処理券取扱所」で購入できます。 申込み時に案内された収集日朝8時までに、処理券を張った粗大ゴミを指定の持出場所へ出しましょう。粗大ゴミを日曜日に直接「品川区資源化センター」へ持ち込めば、収集手数料が300円以上のものは割安で処理できます。 また、品川区では、粗大ゴミをゴミとして回収を依頼する前に、リサイクルショップの活用を推進しています。不要品であっても、まだ使用が可能なものは、再利用するために持ち込みを検討してみてください。
一般ゴミから産業廃棄物・粗大ゴミまで個人・事業者から出るゴミを処理している品川区ですが、区で処分できない品目もあるため注意が必要です。 最後に、品川区で回収・処理を行っていない不用品・ゴミの一覧を確認しておきましょう。
家庭から出る可能性があるゴミで、品川区で処分を行っていない主なものは以下の通りです。
・タイヤ
・バッテリー
・薬品・劇薬
・塗料
・灯油
・石・砂・土・コンクリート …etc.
区で処分ができないゴミ・不用品に関しては、それぞれの専門処理業者に依頼する必要があります。不法投棄は犯罪であり、個人でも法人でも1000万円以下の罰金または5年以下の懲役が科されるため、処理に費用や手間がかかる品であっても、適切に処理を行いましょう。
品川区では、一辺の長さが30cm以上のゴミは、粗大ゴミとして分類されます。 しかし、180cm以上の長さがあるもの、家電リサイクル法・パソコンリサイクル法で定められている家電などは粗大ゴミとしての回収が不可とされています。 粗大ゴミに該当しない大型ゴミの主な対象品目は以下の通りです。
・テレビ
・エアコン
・冷蔵庫
・洗濯機・洗濯乾燥機
・パソコン
・自動車 …etc.
その他にもピアノや消化器・タイヤ・オートバイなども区での処理を行っていないため、家電店や処理業者に回収・処理を依頼する必要があります。 使用が可能なものは、リサイクルショップへの持ち込みで、処理できる場合もあります。
品川区では、一般廃棄物は3種類に分ける必要があり、それぞれ、ゴミ・資源が見えなければならないため、透明の袋を用意しておきましょう。粗大ゴミに関しては、事前の予約が必要であるため、電話かインターネットで回収を申込みましょう。 事業者から出る産業廃棄物や、一般家庭から出る品川区が処理を行っていないゴミに関しては、各自で専門の処理業者に回収・処理を依頼する必要があります。法律を守るという面でも生活環境の保全面でも、適切なゴミの処理が重要となるため、処理料金や手間はかかりますが、適切な処理を行うことが大切です。
※当記事は公開当初の情報に基づき執筆しております。(最新の情報は行政HPをご確認ください。)
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