言わずと知れた大都会新宿。新宿駅を中心に、歓楽街・オフィス街が続き、渋谷・池袋と合わせて3大副都心と言われています。高層ビルが林立し、人の流入が特に多い特徴も持ち、通勤・通学者により昼間人口は夜間人口の約2.5倍以上にもなります。それでも新宿区の人口は平成28年には、平成22年ごろと比べて、約1.3万人以上増えています。近年は特に、外国人居住者も増え、国際色豊な街でもあります。
さらに東京都の中心であり、各方面にアクセスが抜群ということもあり、高田馬場周辺など学生にも人気です。
エリアの利用者数は日本一と言われるほどの新宿区に住むにあたって、欠かせない情報であるゴミ事情・ゴミ出しのルールについてまとめてご紹介します。
ゴミ問題、環境問題は現在国をあげて取り組む、日本の重要課題となっています。この流れに合わせて、新宿区でもゴミの減量に取り組んでいます。平成元年に約20万トンあったゴミの排出は、平成28年には3分の1に当たる約7.1万トンにまで減少しました。1人当たりの1日のゴミ排出量も大幅に減少し、平成28年には278グラムとなっています。これは平成19年の791グラムと比較しても大きな変化を見ることができます。
ゴミと資源の分別が意識づけされつつある成果といえますが、それでも以前燃やすゴミの中に燃えないゴミが混じっていたり資源物が2割も混入している現状があります。反対に燃えないゴミの中にも燃やすゴミ・資源が混入しているため、さらなるゴミ・資源の分別の周知と取り組みに関する徹底が必要とされています。
新宿区では、環境保全を目的とするリ3Rであるデュース(ゴミ・資源の減量)・リユース(再使用)・リサイクル(再生利用)の取り組みを行っています。
3R推進協議会という組織をかまえ、環境への負荷を小さくすることで、将来の環境を創る街を作ることを目指すという循環型社会の実現に対する取り組みを行っています。新宿区全体での取り組みが重要であることから、区行政だけではなく、区民・事業者にも連携を呼びかけ3Rの実施を促しています。3R推進協議会は、3Rの推進の核となる組織として設立され、商店会・デパート・スーパーといった小売業者と民間団体などが一員を担っています。
具体的な取り組みとしては、「3R協働宣言」の実施や、「新宿エコ自慢ポイント」の導入です。
3R協働宣言とは、循環型社会に向けた3Rの実施への呼びかけや具体的な実施方法を周知し、「エコな暮らし」を発信する宣言です。エコバックによるレジ袋の削減や、スーパーなどの店頭で自主リサイクルへの参加、事業系のゴミの減量や適切な分類・3Rの実施を推進するなど区民・事業者それぞれに、積極的に活動を呼びかけました。
新宿エコ自慢ポイントは、買い物の際にレジ袋を断ったり、節電を心がけるなどエコなくらしの実現に向けた活動をポイント制で貯めていく取り組みです。対象の行動は、リユース商品の購入や、環境講座の受講、廃油のリサイクルなど多岐にわたります。日ごろの生活の中で楽しくエコなくらしを意識することができ、ゴミの減量と資源化への成果が期待できます。ポイントを貯めることで、環境に配慮された景品を受け取ることもでき、区民のモチベーションへとつなげる努力がなされています。
国際的な街新宿区は、他の区で類を見ないほど多国籍な言語にゴミの出し方・資源の分別方法を翻訳して配布しています。日本語に加えて、英語やフランス語をはじめ、タイ語・アラビア語・タガログ語・ミャンマー語・韓国語・中国語ネパール語・ベトナム語といった全11か国語でルールを確認できます。
家庭から出る一般ゴミは、特に全体に対する割合が多く区民1人ひとりの協力が欠かせません。
■資源
資源の回収は週に1回で、品目ごとに分けてネットもしくはコンテナに入れて排出しします。
該当するのは、ビン・缶・ペットボトル・スプレー缶・カセットボンベ・乾電池・古紙・プラマークが付いたプラスチック容器包装です。古紙以外は同じ品目をまとめて中が見える袋に入れてください。古紙は新保運や紙パック・段ボールなど品目ごとにひもで縛ります。
ビン・缶・ペットボトル・プラマークの容器などは、水ですすいで汚れを落としてから排出しましょう。スプレー缶やカセットボンベは中身をすべて出し切ってから、穴を開けずに出します。
■燃やすごみ
燃やすごみは週に2回、回収が行われます。生ゴミや食用油、衣類・紙おむつ・紙おむつ・ゴムや革製品などが該当します。
燃やすごみは、廃棄物の中でも特に多量に排出されるため、できるだけ小さくなるように工夫しいて出すのがポイントです。生ゴミは水をよく切り、食用油は布か紙に染み込ませるか凝固剤で固めましょう。紙おむつを排出する場合は、汚物を取り除いてから出すようにしてくだださい。
少量の剪定枝は50センチ以下にカットして排出します。それ以外の燃やすごみは、中身が見えるポリ袋もしくは蓋の付いた容器に入れて出しましょう。
■金属・陶器・ガラスごみ
金属・陶器・ガラスごみは、月に2回回収が行われます。排出の際は、中身が確認できる袋か蓋が付いた容器に入れましょう。割れているものや鋭利なものを出す場合は、紙などで包んで「危険」と表示するようにしてください。
また、水銀を使用している蛍光灯・体温計や血圧計は他のゴミと分けて排出する必要があります。ライターも他のゴミと分けて、中身を使い切った状態で排出しなければなりません。
小型家電も同時に排出できますが、一部リサイクルの対象となっている品目があるため分別にい配慮しましょう。
粗大ゴミは「粗大ごみ受付センター」に回収を依頼し、手数料を支払って処理を行います。さらに、回収は予約制であるため、事前に電話かインターネットから回収の依頼を行ってください。 インターネット予約は24時間予約が可能ですが、電話は月~土曜日の午前8時~午後7時までと時間が決まっているため注意が必要です。
予約が完了したら、粗大ゴミの品目に合わせて「有料粗大ごみ処理券」を、区内の取扱店舗か清掃事務所や区役所などで購入しましょう。品目それぞれの処理手数料は粗大ごみ受付センターの新宿区のページもしくは、新宿区の公式ホームページから確認できます。粗大ごみ処理券はA券200とB券300円あるため、指定医の金額となるよう組み合わせて貼付してください。
さらに、粗大ゴミの大きさは一辺が30センチ以上とされていますが、大きすぎる・長すぎるものは回収してもらえない可能性があります。まずは、廃棄したい品目をインターネットで検索し、回収品目の対象となっているか、備考に〇センチまでという制限が記載されていないか確認しましょう。
排出時は、通常のゴミ・資源回収の集積所とは異なる可能性があります。集合住宅の出入口や一戸建ての玄関・門前など、予約時に確認しておくのがおすすめです。比較的人通りがある場所が指定されるため、粗大ゴミは当日の朝に出すようにしてください。
また、粗大ゴミにはパソコン・テレビ・白物家電などは該当しません。それぞれリサイクル法の対象品目であるため、メーカーや販売店に問い合わせるか、リサイクル処理業者へ委託する必要があります。小型家電も、スマホ・携帯電話・ビデオカメラ・デジカメなどリサイクル品目として法律で定められているためリサイクルに出す必要があります。小型家電については、新宿区の区役所や出張所の回収ボックスでもリサイクルに出すことができます。
事業活動によって排出されるゴミは、家庭ゴミよりも厳密にルールが定めらており、事業者は法律・条例に沿って排出しなければなりません。違反した事業者には、刑事罰として、罰金・懲役刑が科されることになります。社会的信用も失うため、適切な処理が求められます。
まず、事業活動から排出されたゴミは事業者自らの廃棄もしくは、責任を持って廃棄物処理業者への委託が義務付けられています。事業活動とは、企業・店舗に限らず、教育機関・社会福祉などの公共サービスも含まれるため注意が必要です。
事業系の廃棄物は2つに分けられ、それぞれ廃棄法が異なるため、1ずつ見ていきましょう。
事業系一般廃棄物は、家庭ゴミと同様に一般廃棄物該当しますが、事業活度によって生じているかがポイントとなります。 一般廃棄物の処理には、区が認可した「一般廃棄物処理業者」へ委託しましょう。区が許可していない業者への委託は違反行為となり処罰の対象となります。契約時には、業者の許可証を確認して、区長からの許可を得ているかだけでなく、委託する業務内容に対する許可があるのかについてもチェックしましょう。契約した後は、産業廃棄物管理票(マニュフェスト)を発行・保管・報告も義務付けられています。
一部1日の排出量が50キロ以下の事業者に対しては、新宿区が代行して回収・処理を行っています。10キロ以上ある場合は、新宿区が指定する処理施設への持ち込んでの排出依頼が可能です。回収・処理を希望する場合は、新宿清掃事務所・歌舞伎町清掃センター・新宿東清掃センターのいずれか、所在地の管轄清掃事務所・センターを通じて区長に申請しましょう。
産業廃棄物とは棄物処理法によって定められている20品目を指します。一般廃棄物よりも取り扱いに注意が必要な有毒性や保管・処理時の環境への影響度が高いことから、産業廃棄物が発生した後から事業者には廃棄までの責任が課されます。 保管時には囲いを設けること・産業廃棄物の保管に関する看板を立てること、収集・運搬時には許可を受けた産業廃棄物の運搬業者に委託することが定められています。産業廃棄物の多くは一度で処分されずに、中間施設で最終処分や再生が行いやすくする加工が行われます。その後、廃物を再利用する「再生」が行われ、リサイクル製品として生まれ変わったり、焼却時の熱を使ったエネルギーに変換されます。
産業廃棄物の処理依頼は、一般廃棄物処理業者と同様に、許可を受けた「産業廃棄物処理業者」へ委託しましょう。ここで要注意なことは、産業廃棄物の主な管轄は東京都であることです。そのため産業廃棄物処理業者の認可も東京都が行っています。そのため契約時の許可証確認では東京都の許可を得ているかを確認しましょう。そして、産業廃棄物処理業者の選定に困ったら東京都環境局に相談することができます。 廃棄物の引き渡しをした後には、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の発行・保管し、東京都に報告しましょう。
適切な産業廃棄物処理の委託、許可業者の適切な業務活動によって、環境・区民の住生活が守られています。各事業者は、廃棄物の処理責任を意識して、処理・委託を行っていきましょう。
今回は大都会新宿区のゴミ事情から減量への取り組み、廃棄物の処理法・資源の分別について解説してきました。家庭ゴミは排出の割合が大きいため、区民一人ひとりの努力が欠かせません。事業者は一度に排出する量が多かったり、環境や区民の生活を脅かしかねない産業廃棄物を排出するため、法律に順じた責任ある行動が義務付けられています。
新宿区の住環境を守るために、新宿区・区民・事業者それぞれが一体となって、ゴミの減量・再利用・再生に務めていきましょう。
※当記事は公開当初の情報に基づき執筆しております。(最新の情報は行政HPをご確認ください。)
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