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世界的なESG(環境・社会・企業統治)投資の加速の流れもあり、企業には環境に配慮した経営が求められています。私たちが今考えなければいけないのは「循環型社会」を実現する企業の「あるべき姿」なのです。世の中がサステナビリティを謳い変化を重ねるなか、サティスファクトリーは、資源の持続可能性を軸に再資源化プロダクトを開発しています。その第一弾として、企業が廃棄するプラスチックを回収してごみ袋を製造し、回収元の企業に還元する資源循環サービスを展開しています。
安易に使い捨てされるプラスチックの行方を問う
海に投棄されたプラスチックごみによる汚染で生態系に深刻な影響が生じているというニュースを聞いても、どこか他人ごとのような印象を受けていませんでしょうか。実際は、日本から大量のプラスチックごみが輸出され、それらが適切に処分されずに、海に流れ出ているものも少なくないと言われています。また、スーパーなどで売られている「リサイクル100%」と表記される再生材商品は、オフグレード品と呼ばれる実質バージン原料で作られているケースがほとんどなのです。
ごみを他国に輸出して追跡性を失ったり、すぐに捨てられてしまうモノに有限な新品素材を消費したりしては環境に配慮できません。だからこそ、国内で循環する仕組みを確立できないか、本当のごみを再資源化によって商品化できないかとわたしたちは考えました。
廃プラスチックはごみを出す企業がお金を払って処理していますが、それを価値ある原料に変えることが出来れば、逆に売却してお金を得ることができるかもしれません。再資源化は、社会にも企業にもメリットがあり、ごみから価値を生み出すことができるのではないでしょうか。
ごみから価値を生み出す、廃棄物を有価物へ
プロジェクトが本格的に動き出したのは2020年3月。中国による廃棄物の輸入規制から廃プラスチックの取引が鈍化し、わたしたちのお客様である排出事業者の手元にごみが滞留しつつありました。そこで、パートナー企業である処理会社ネットワークを活かし、梱包に用いた使用済みのストレッチフィルムを国内企業から回収することになりました。廃棄物管理で培った静脈物流網でプロダクトの原材料を一斉に集められるのは当社の強みでもあります。それらをプラスチック加工会社に運び、業務用のごみ袋を製造して国内企業に再び使用してもらうのです。
ごみ袋を変えるだけで、一般的なバージン材製品の消費と比べて数十kgものCO2排出量を削減できることから、カーボンニュートラルを目指す企業にも資源利用の可能性を訴えることができます。
もとより、多くの日本企業はCSR(企業の社会的責任)活動とその発信に力をいれてきました。
この小さな選択が大きな成果を引き出し、株主などステークホルダーに自社の取り組みのひとつとして報告することができ、循環型社会の構築を担う組織として一歩踏み出すきっかけにできるのです。
「捨てる」を当たり前にしない社会づくり
「捨てる」を当たり前にしない社会づくり
再生材ごみ袋「FUROSHIKI」という商品名は、社内公募によって名付けられました。
日本で古くから愛される「包む」文化は、「風呂敷」に象徴されます。使い捨てされずに幅広い用途に繰り返し活きるその姿は、消費社会が目指すべき価値そのものです。同様に、廃棄物を包む「FUROSHIKI」は資源を大切に扱う心を表します。
2020年10月には、グッドデザイン賞を受賞し、「自国のごみは自国で処理し、循環させることができる社会に向けて、FUROSHIKIの取り組みは非常に意義が深いものである」と評価されました。
大手金融機関も取引先のグリーンリカバリーを重視することから、企業が気候変動リスクに向き合うきっかけとして取引先に導入を推進いただいています。
資金調達や顧客エンゲージメントの視点において、企業も環境問題や社会課題への配慮抜きでは生き残れない社会になってきています。
私たち静脈産業で扱うモノは「不要物」なので、その運用の仕方によって「廃棄物」になることもあれば「有価物」になることもあります。それらをより価値のある「成果物」に変えて排出した企業に還元することで、本当の循環型リサイクルが実現できます。
循環型社会に向けた廃棄の削減、脱炭素社会に向けたCO2排出の削減、私たちは全ての企業がすぐに参加できる仕組みづくりから始めています。そして、今後も新たな再資源化プロダクトの開発を進め、事業拡大を目指していきます。
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